...或は我々の到達せんとする超人の面輪(おもわ)を感ずるのである...
芥川龍之介 「僻見」
...今は焼けただれた面輪(おもわ)にも...
芥川龍之介 「奉教人の死」
...向き合いになってももう面輪(おもわ)が定かに見えない...
鈴木三重吉 「千鳥」
...行水(ぎょうずい)の女にほれる烏(からす)かな明治三十八年客人に下れる蜘蛛(くも)や草の宿明治三十八年蜘蛛(くも)掃(は)けば太鼓落して悲しけれ明治三十八年相慕ふ村の灯(ひ)二つ虫の声明治三十八年もの知りの長き面輪(おもわ)に秋立ちぬ明治三十八年八月十七日 王城...
高浜虚子 「五百句」
...そのうすら明りの中に匂うほのじろいものが始めて接するその人の面輪(おもわ)であることが分ると...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...まるでその面輪(おもわ)に光がみなぎりあふれるように見えた...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
......
峠三吉 「原爆詩集」
...その布局その色彩及び顔面輪廓の描線等...
永井荷風 「江戸芸術論」
...かの懐しい面輪がひろがるのだ...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...白い美しい面輪の中に...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...ほのかな面輪の類似があつた...
北條民雄 「間木老人」
...現三津五郎に悪を利かせたやうな皮肉の面輪をも...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...さびしい面輪をふせて...
正岡容 「寄席行燈」
...まざまざとそのあえかな面輪を羨ましく思い泛べることができる...
正岡容 「わが寄席青春録」
...月の光に相手の面輪(おもわ)を透(すか)し見ました...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...些(ちと)の翳(くもり)の月の面輪を掠むるものだに無かつたので...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...炉の前かたへの壁の炉の火ゆゑ友の面輪も...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
便利!手書き漢字入力検索