...況(いわん)や何ぞかの古怪なる面貌あらん...
芥川龍之介 「るしへる」
...その面貌(めんぼう)の無邪気なる...
泉鏡花 「海城発電」
...しつぺい張(はら)んと歯噛(はがみ)をなし立上(たちあが)りし面貌(つらがまへ)――と云々(うんぬん)...
泉鏡太郎 「怪力」
...われわれは逆運と闘う一個の人間の悲劇的な面貌を見...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...面貌だけは凜乎(りんこ)たるところがあったけれど...
太宰治 「もの思う葦」
...不幸にも女子の気に適(かな)う面貌があるが...
イワン・ツルゲーネフ Ivan Turgenev 二葉亭四迷訳 「あいびき」
...これもまたある意味では西鶴の中の科学者の面貌を露出したものと云われるであろう...
寺田寅彦 「西鶴と科学」
...無論歌麿の女の面貌といへども日本画家の通有なる一定の形式を脱せず...
永井荷風 「江戸芸術論」
...役者似顔絵を見るにその面貌(めんぼう)と衣裳(いしょう)の線を描ける筆力は遒勁(しゅうけい)なり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...その面貌(かおかたち)は言わん方なき奇怪なものである...
中里介山 「大菩薩峠」
...「福音書ノ何(いづ)レノ部分ニモ耶蘇(やそ)ノ面貌ヲ記載シタルコトナシ...
中里介山 「大菩薩峠」
...アジアの首都、東京の面貌は、日本の、そして東京の特色がなくつてはいけない...
長谷川時雨 「東京に生れて」
...世にも浅はかなる面貌となりたり...
牧野信一 「変装綺譚」
...絵姿の面貌は相変らず美しく姿は相変らず清楚(せいそ)としています...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...面貌より女が山の神といわるる径路を案ずべし...
南方熊楠 「十二支考」
...抒情詩は抒情詩としてのリアリティを目ざすところに逞しい面貌があるのだから...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...常に美しいとばかり思っていた面貌の異様に変じたのに驚いて...
森鴎外 「渋江抽斎」
...まるまるその面貌を改めてはおるまい...
柳田國男 「地名の研究」
便利!手書き漢字入力検索