...然し友人等に對して餘り面目ない樣な氣がすると同時に...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...面目ない...
太宰治 「失敗園」
...鳥羽は「面目ない次第だがかう云ふ事になつた」と悉(くは)しく話してくれたのであるが...
田畑修一郎 「鳥羽家の子供」
...「面目ないことじゃ...
中里介山 「大菩薩峠」
...のみならず親の手前世間の手前面目ない...
夏目漱石 「野分」
...「あれッ」斬られたのは、佐の市ではなくて、刃の下へ飛込(とびこ)んで来た妾のお元、「お兄様、面目ない、――私はお前の妹のお元、悪人の手に誘拐(かどわ)かされて、心にも無い妾奉公、親の讐(かたき)とも知らずに此奴(こやつ)に身を任せました、兄上様許して――」「何? 妹、お元? お前は此処(ここ)に居たのか、どれどれ、側へ寄って触らせて見せろ、お元ッ」「お兄様、私ア斬られました、――お前の身代りに――本望、お詫びはあの世で――」「何? 斬られた? 妹ッ」盲と断末魔の女と、探り寄り探り寄り、血潮の中に犇々(ひしひし)と掻い抱(いだ)きます...
野村胡堂 「禁断の死針」
...何か面目ないことを白状するような調子で言った...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...それについては面目ない事があります...
村井弦斎 「食道楽」
...実に相済まぬ面目ない話であるが...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...あんまり面目ないから今まで誰にも話さずにいたんだが……ホラ……吾輩と君とで慶北丸の横ッ腹(ぱら)を修繕してしまうと...
夢野久作 「爆弾太平記」
...「面目ないという了見があったら...
吉川英治 「剣難女難」
...――遠征の途にありながら、陣務を怠って、荊園(けいえん)の仇花(あだばな)に、心を奪われたりなどして、思えば面目ない...
吉川英治 「三国志」
...そして、三河の矢矧(やはぎ)まで退き、ちと面目ないが、兄上(尊氏)のおさしず如何あるか、生きるも死ぬも、それを待っての上としようではないか」「よう、ご分別を」と、かたわらの細川和氏(かずうじ)が同意をよせた...
吉川英治 「私本太平記」
...足利どのの先の度量にたいしても面目ない...
吉川英治 「私本太平記」
...「いや、そんな昔ばなしをなされては、面目ない」と、心寂は、友の話をうち消して笑った...
吉川英治 「親鸞」
...なぜ逃げるのか」「面目ないっ」「どうめされたのじゃ...
吉川英治 「松のや露八」
...面目ない顔を伏せた...
吉川英治 「山浦清麿」
...面目ない! ここに会わせる顔もない...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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