...「いやどうも面目ない...
大阪圭吉 「白妖」
...」「出征といへば、もう、――」「僕ですか? もう、二度も令状をいただきましたが、二度とも途中でかへされて、面目ないんです...
太宰治 「津軽」
...鳥羽は「面目ない次第だがかう云ふ事になつた」と悉(くは)しく話してくれたのであるが...
田畑修一郎 「鳥羽家の子供」
...母はこんな年歯(とし)をして懐妊するのは面目ないと云ったとかいう話が...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...のみならず親の手前世間の手前面目ない...
夏目漱石 「野分」
...あなたまでそれに巻き込むことになったのは面目ない...
H・ビーム・パイパー H. Beam Piper The Creative CAT 訳 「最愛の君」
...やがて面目ないようにチラと目だけ上げてくると...
正岡容 「小説 圓朝」
...お前に煮湯を飲ませた圓太なんかを引き立てて……そのまた圓太に面目ないよ...
正岡容 「小説 圓朝」
...面目ない...
正岡容 「寄席」
...むろん米の酢じゃけに飲むとどことなくポーッと酔うたような気持になるのでなあ……まことに面目ない...
夢野久作 「近世快人伝」
...「そう云われると僕も面目ないです...
夢野久作 「暗黒公使」
...粂吉さん」「さあ? ……」「いやといわれると面目ない...
吉川英治 「江戸三国志」
...もう先に家康は、浜松の城内へ帰っているものと思って引きあげて来たところ――「まだ、御帰城はない」という留守衆のことばに、さてはまだ敵の重囲のうちにおありか、或いは、御戦死か、いずれにせよ、殿より先に逃げて来たといわれては、浜松の住民に対しても、面目ないと、城にもはいらず地だんだ踏んでいるのだった...
吉川英治 「新書太閤記」
...その血相に、お菊ちゃんは初めて、彼の顔がいッぱいに真人間の良心と感情を激動させているのを知って、「おや、どうなすって」「土肥八十三郎と云ったな」「ええ」「間違いないか」「ありません」「わ……」と、泣きたそうに、露八は両手で顔を蔽(おお)って、「面目ない、面目ない」「どうしたんです」「弟だ...
吉川英治 「松のや露八」
...……面目ない、面目ない! おふくろにも叔父御にも、おらあただ面目ないんで」と、両手で顔をおおった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...面目ないというからには...
吉川英治 「宮本武蔵」
...面目ない顔を伏せた...
吉川英治 「山浦清麿」
...又しても面目ないと思ひ出し...
若松賤子 「黄金機会」
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