...彼は物を云はうと思つたが面倒なので口には出さずに黙つてゐた...
有島武郎 「An Incident」
...どれ程面倒な目にあわずに済むことだろう...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...やっている連中はいろいろと七面倒な規則や理屈をつけるかも知れぬが...
石川欣一 「山を思う」
...鍵をかけるのも面倒なのだ...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...老人は面倒なことが起ったわいと思ったが...
田中貢太郎 「立山の亡者宿」
...決して/\そんな面倒なことではありません...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...ますます面倒なことになって参りました...
豊島与志雄 「花子の陳述」
...たいへん面倒なことが持ち上るかも知れません...
豊島与志雄 「無法者」
...分類して見ればさほど面倒なことも無い...
中谷宇吉郎 「凍上の話」
...漬物(つけもの)に拵(こしら)えるのが面倒なので...
夏目漱石 「行人」
...「そんな面倒な事をする必要があるものか」と答えた...
夏目漱石 「それから」
...面倒ながらその速記を会長に依頼した...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...プラーゲが告訴したと見え、検事局の呼出しあり、面倒なり...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...事態が漸く面倒な模様になると...
牧野信一 「三田に来て」
...いろいろと面倒なことばかりです...
三浦環 「お蝶夫人」
...忠直卿は、昔の殿様としてはびっくりするくらいむき出しのヒューメンな若者として扱われており、その点では作者が一見常識を蹴とばしているようだのに、さてそれならそのように苦しむ自分を虚偽と知らぬ虚偽でとりかこみ、それを命にかけて守っている者どもとの関係を我から一擲変更して、ええ面倒な、と隠居してしまうところまで飛躍してはいない...
宮本百合子 「鴎外・芥川・菊池の歴史小説」
...最初は取り扱いに面倒な年寄などをすかして...
柳田国男 「雪国の春」
...恐ろしく小面倒な動力の計算書なんかを一週間がかりで書き上げて甲板(デッキ)に持って行くと...
夢野久作 「難船小僧」
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