...自分は暗い目に面ざしも知らなければ名も知らない...
鈴木三重吉 「赤い鳥」
...秋篠寺で拜んだ伎藝天女のふつくりとした面ざしを幻に描いて酒にでも醉つたやうな心持であつたが...
薄田泣菫 「旋風」
...どこか面ざしが五九郎に似てゐる...
添田唖蝉坊 「乞はない乞食」
...面ざしがどこか樋口一葉に似ている...
高村光太郎 「回想録」
...女にしてはととのいすぎた冷い面ざし...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...その面ざしの美しさは思いうかべられる限りのいかなる形象よりもたちまさっていた...
久生十蘭 「海豹島」
...美しすぎる面ざしをした...
久生十蘭 「あなたも私も」
...美しい面ざしはむかしとすこしも変わらない...
久生十蘭 「キャラコさん」
...この世のものとも思われぬような美しい面ざしの婦人である...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...(ろう)たけた面ざしであろう...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...なるほど面ざしはどこか似たところがあるが...
久生十蘭 「魔都」
...母親の面ざしをそのままに受けついだよく似た姉弟で...
久生十蘭 「無月物語」
...太郎は十になったから頭を丸い三分刈りにしたら面ざしが変る位男の子らしくなりました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...いかにも温かそうな微笑を湛えた面ざしと...
山本周五郎 「日本婦道記」
...しだいに窶(やつ)れてはゆくが面ざしはいつまでも冴(さ)えて美しく...
山本周五郎 「日本婦道記」
...角三郎のふだんの姿や面ざしのように理智に澄んでいる...
吉川英治 「御鷹」
...面ざしすらにわかに吉光の前に似かようてきたかに見えて端麗(たんれい)を加えたのも変り方の一つであったし...
吉川英治 「親鸞」
...似ているのは面ざしだけでなく...
和辻哲郎 「漱石の人物」
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