...こうして静かな心になって考えると倉地の葉子に対する愛情が誠実であるのを疑うべき余地はさらになかった...
有島武郎 「或る女」
...私はこの静かな心持があなたと一緒にゐる時にどうして保つてゐられないのだらうと思ひます...
伊藤野枝 「書簡 大杉栄宛」
...静かな心持をゆつくり味はふことが出来るのを喜ばずにはゐられません...
薄田泣菫 「雨の日に香を燻く」
...閑暇と静かな心とをもっている方々はおはいり」とあるべきだと思う...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...それでもまだ静かな心持...
田山録弥 「動的芸術」
...静かな心臓を想像するに堪えぬ程に...
夏目漱石 「それから」
...今まで経験した事のない一種静かな心持を敬太郎に与えた...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...僕は茶の湯をやれば静かな心持になり...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...静かな心の持主だ...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...橘 思えばこれまでは静かな心でおられましたのに...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...ほんとうに静かな心持で自分のことがおはなし出来るやうな気がするの――」いつの間にか二人は数寄屋橋を渡つて日比谷公園の方へ脚を運んでゐた...
牧野信一 「女に臆病な男」
...浅田はそのまま柔(やわらか)い地の底へでも引きこまれてゆきたいような静かな心持になって...
松本泰 「秘められたる挿話」
...二条の院の男女はだれも静かな心を失って主人の病を悲しんでいるのである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
......
室生犀星 「愛の詩集」
...思い残すことのない静かな心で...
横光利一 「夜の靴」
...運悪くその宿屋に繭買ともみゆる下等な商人共が泊り合せてゐて折角いゝ気持で出かけて来た静かな心をさん/″\に荒らされてしまつた...
若山牧水 「渓をおもふ」
...暗緑の地に浮き出ている蓮の花びらの大気に漂う静かな心持ち...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...日常の生活の静かな心の落ちつきが全然覆(くつがえ)されるのを感じた...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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