...牧落は至って静かなので...
石川欣一 「山を思う」
...その死のやうな眠りの間の静かな隠れ場所で同時に再生の場所を自分で用意する適当な時なのだ...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...わたしは世田谷(せたがや)区の静かな町に...
江戸川乱歩 「おれは二十面相だ」
...十月の静かなあたたかい日ざしはそこいら一杯に流れて...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...かの物静かな松風の音は今は何よりも偉大な慰藉(ゐしや)であつた...
相馬泰三 「夢」
...いつかは静かな愛にほほゑみながら――大正一四・六金工場の泥を凍らせてはいけない...
高村光太郎 「智恵子抄」
...物静かな、日あたりの好い部屋である...
谷崎潤一郎 「少年」
...こゝは稍(やや)静かなれど紅塵ようやく深く鉄道構内の煤煙風に迷うもうるさし...
寺田寅彦 「半日ある記」
...」静かな調子でいって...
豊島与志雄 「白塔の歌」
...河が幾筋もあってその河には静かな水が豊かに流れていたり...
夏目漱石 「行人」
...」「もつと静かなところへ行かうか...
北條民雄 「道化芝居」
...まだ君の静かな息がして居った...
ホーフマンスタール Hugo von Hofmannsthal 木下杢太郎訳 「チチアンの死」
...黒骨の葭戸の高座に明るく額(おでこ)の照る「三遊亭円右」の静かな人情話(はなし)が流れる...
正岡容 「山の手歳事記」
...静かな月光が地に揺れ...
宮本百合子 「五月の空」
...静かな二頭曳の馬車の中でしたら...
モルナール・フェレンツ Molnar Ferenc 森鴎外訳 「辻馬車」
...一方はもの静かな湖水がそうさせたのかも知れません...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...東京にも見られない程静かな清清(せいせい)した処(ところ)だとは自分も来る迄は想像しなかつたのである...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...運悪くその宿屋に繭買ともみゆる下等な商人共が泊り合せてゐて折角いゝ気持で出かけて来た静かな心をさん/″\に荒らされてしまつた...
若山牧水 「渓をおもふ」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??