...青蛙のような色で...
泉鏡花 「貝の穴に河童の居る事」
...――・ぴつたり身につけおべんたうあたゝかい・朝の水にそうてまがる・すゞしく蛇が朝のながれをよこぎつた・禁札の文字にべつたり青蛙・このみちや合歓の咲きつゞき・石をまつり水のわくところ・つきあたつて蔦がからまる石仏・いそいでもどるかなかなかなかな・暮れてなほ田草とるかなかな・山路暮れのこる水を飲み一銭のありがたさ...
種田山頭火 「行乞記」
...ばつたり風がなくなつて蝉の声すこし風が出てきて青蛙なく・あんなところに網を張り蜘蛛のやすけさは・あすは雨らしい空をいたゞく...
種田山頭火 「行乞記」
...――葉の青さに青蛙ひつそり△七月のをはりに...
種田山頭火 「行乞記」
...若葉のくもり(行乞)・蕗の葉のまんなかまさしく青蛙・若葉...
種田山頭火 「其中日記」
...なかよく・ほんにしづかな草の生えては咲く・ひらかうとする花がのぞいた草の中から・芽ぶいて若葉して蓑虫は動かない・いちはやく石垣の茨は咲いた校長さんのお宅声をそろへて雨がほしい青蛙はうたふ・打つ手を感じ逃げてゆく蚊の...
種田山頭火 「其中日記」
...小さな青蛙の咽(のど)に爪うちかけてひい/\云わしたり...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...やがて優しい青蛙(あおがえる)の笛のモデラトにその来(きた)る時と同じよう忽然として掻消(かきけ)すように止(や)んでしまいます...
永井荷風 「監獄署の裏」
...何で這入つて来たのかねえ――こら! 青蛙...
林芙美子 「蛙」
...まず青蛙を二匹呼びだして向き合わせに坐らせる...
久生十蘭 「だいこん」
...青蛙の喧嘩師(ポンサー)は両手をついて顔を見あいながら...
久生十蘭 「だいこん」
...冬眠から醒めるはずのない青蛙が一匹...
火野葦平 「花と龍」
...溝板の割れ目から豆粒ほどの青蛙がピョコピョコ飛び出してきた...
正岡容 「小説 圓朝」
...弊衣(へいい)を着し乱髪にして青蛙(あおがえる)を食う男...
柳田国男 「山の人生」
...青蛙の看護婦はオシャベリ姫が眼をさましたのをみると...
夢野久作 「オシャベリ姫」
...嫁菜(よめな)を踏みながら群(むらが)る苡(くさだま)の下を潜(くぐ)って青蛙(あおがえる)に飛びついた...
横光利一 「日輪」
...七伊織は、青蛙のように、小さくなって、草むらに屈(かが)みこんでいた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...まるで青蛙(あおがえる)が鳴くみたいさ...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
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