...崩れぬ土手(どて)は青芝の上に不相変(あひかはらず)松をうねらせてゐる...
芥川龍之介 「大正十二年九月一日の大震に際して」
...青芝を劃(かぎ)ったテニス・コオトも見える...
芥川龍之介 「長江游記」
...青芝生の上に食卓を据ゑて...
石川三四郎 「馬鈴薯からトマト迄」
...そこらには松があつて土は短い青芝で掩はれて居る...
長塚節 「壹岐國勝本にて」
...青芝は延びれば皆牛がつて了ふから何時でも綺麗なのである...
長塚節 「壹岐國勝本にて」
...急な山の脚が海へ踏ん込む前に青芝の小山を拵へて其小山の頂近くから截斷して海へ捨てゝしまつた時に恐ろしい懸崖が出來た...
長塚節 「鉛筆日抄」
...青芝の上に休んで居ると何時の間にか蝶は懸崖の面を舞ひあがつたものと見えて小さな黄色い羽をぴら/\と動かしながらめぐりめぐつて鹿の糞へとまつた...
長塚節 「鉛筆日抄」
...余は一朝暴風が此平靜な海を吹き亂して雲と相接して居る水平線の先の先から煽り立てゝ來る激浪が此の大箱の懸崖に吼えたけびてしぶきのとばしりが此の青芝へ氷雨の如く打ちかゝる時に牡鹿が角を振り立てゝ此岬に突つ立つ所を想像して見た...
長塚節 「鉛筆日抄」
...途に遙に小爆布をのぞむ多度山の櫟がしたに刈る草の秣が瀧はよらで過ぎゆく養老公園落葉せるさくらがもとの青芝に一むら淋し白萩の花養老の瀧白栲の瀧浴衣掛けて干す樹々の櫻は紅葉散るかも瀧の邊の槭(もみぢ)の青葉ぬれ青葉しぶきをいたみ散りにけるかも十七日...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...よくその眼のさめるやうな青芝の上には...
南部修太郎 「病院の窓」
...町の入口に青芝の美しい飛行場があり...
野上豐一郎 「キフホイザー」
...今は美しい青芝の庭園となって...
野上豊一郎 「シェイクスピアの郷里」
...美しい青芝の上に咲き出ている...
野上豊一郎 「シェイクスピアの郷里」
...これは『本草綱目』に芝に五品あるとしてこれを青芝...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...青芝の上に寝転びながら...
横光利一 「欧洲紀行」
...二人は無言のまま青芝の上に散っている鳩の羽毛を眺めているとき...
横光利一 「旅愁」
...心に暗示を与えてから徐徐に今日一日の青芝を踏みたいと希う真紀子の努力もよく分るのだった...
横光利一 「旅愁」
...三青芝を撫でるソヨ風に...
吉川英治 「剣難女難」
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