...青白い薄闇(やみ)に包まれて葉子の顔は見る見るくずれて行った...
有島武郎 「或る女」
...青白い長い光がすーっと出て...
海野十三 「太平洋魔城」
...ボーッと青白い光りを放ち...
海野十三 「超人間X号」
...青白い額の上にジットリと脂汗(あぶらあせ)を滲(にじ)ませながら...
海野十三 「蠅男」
...甚(はなは)だしい箇所ではその裂目(さけめ)から雪子の青白い皮膚があらわに見えることだった...
海野十三 「四次元漂流」
...三千子は反対に青白いすさんだ皮膚だったということですから...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...ひとすじの青白い光が...
江戸川乱歩 「サーカスの怪人」
...青白い月光の滴り...
薄田泣菫 「茶立虫」
...横丁からは提灯をつけ無い俥が澤山出て來て左右に分れて行き矢張り提燈をつけ無い自轉車があつちにもこつちにも破れた翅の鳥のやうに一直線に飛んで行くふと見た自轉車にのつかつた若者の顏は暮れ殘る反射の中にいゝ心持に青白い顏を浮べて現はれて消え往來は地球一面のやうに廣くなり用のすんだ空になつた荷馬車が音も無く通る...
千家元麿 「自分は見た」
...それに目の中に赤く血走つて毛穴の汚れた青白い皮膚には脂が冷たさうに光つてゐた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...無帽の黒い艶々(つやつや)とした髪が女の児のように房々と波打っている様子と言い、睫毛(まつげ)の長いパッチリとした涼し気な眼が悧(さか)し気に今涙を含みながら瞠(みは)っている様子と言い、青白い頬、華奢(きゃしゃ)な手足……それはまったく女の子にも見紛(みまが)うべき美少年であった...
橘外男 「逗子物語」
...そこに一九二〇年代の青白い憂愁と...
中井正一 「物理的集団的性格」
...入口から射し入る青白い月...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...四十歳くらいで、色の青白い、角刈りにした男、着物のうえから、「友田」と襟に入った半纏を引っかけている...
火野葦平 「花と龍」
...またまた青白い火花を散らしているではないか...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...加害者の若い青白い笑い顔とか...
夢野久作 「近眼芸妓と迷宮事件」
...髪の毛をクシャクシャにしたまま、青白い、冴え返るほどスゴイ表情をして、両手を高々と胸の上に組んで、私をジイと睨み付けているのであったが、その近眼らしい眩しそうな眼付きを見ると、発狂しているのではないらしい...
夢野久作 「一足お先に」
...青白い電光がひらめく度に...
吉川英治 「三国志」
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