...やせぎすで、痛々しいほど目の大きな、そのくせ黒目の小さな、青白い顔が、薄暗い店の奥から、香料や石鹸(せっけん)の香につつまれて、ぼんやり浮き出たように見えるのが、何か鏡の破(わ)れたのと縁でもあるらしくながめられた...
有島武郎 「或る女」
...だが青白い怪船は...
海野十三 「幽霊船の秘密」
...手前どもはあの青白い光を見ると...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...魚のやうな青白い顔に...
薄田泣菫 「茶話」
...血の気の失せた青白い妻の顔を視守(みまも)りながら...
谷崎潤一郎 「細雪」
...夜な/\彼が屋根裏へ通う折に青白い光を浴びせた月が...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...ごぶさたいたしまして」少し心配なほど青白い顔に...
壺井栄 「二十四の瞳」
...夜の空虚、荒々しい姿になった事物、進むに従って消散する黙々たる物の横顔、髪をふり乱したようなまっくらなもの、いら立った叢(くさむら)、青白い水たまり、滅亡と悲愁との反映、沈黙の広大な墓場、実際にいるかも知れない見も知らぬ変化(へんげ)、傾いている不思議な木の枝、恐ろしい樹木の胴体、震えている長い雑草の茎、そういうものに対してはだれも身を護る術がない...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...防寨(ぼうさい)での創痕(きずあと)である青白い筋が少し見えていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...青白い顔も凄みですが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...少し青白い、品の良い顔が、絞木(しめき)に掛けられたように引釣って、真珠色の涙が、ポロポロと頬を洗います...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...夜光虫の光る青白い波に...
火野葦平 「花と龍」
...四十歳くらいで、色の青白い、角刈りにした男、着物のうえから、「友田」と襟に入った半纏を引っかけている...
火野葦平 「花と龍」
...翼からパッパッと青白い火花が散ってゆく...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...見れば青白い不安げな顔...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...静寂な大気の――無限大に青白いスクリーンの中央に...
牧野信一 「吊籠と月光と」
...青白い月の光りを切つてヒウと鞭を鳴した...
牧野信一 「変装綺譚」
...雑然と並んでいる青白いアーク燈の瞬きが...
夢野久作 「オンチ」
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