...建物のすぐ前に並んでいる桧か青桐かの木を見つめた...
大杉栄 「続獄中記」
...二抱へもある青桐...
大町桂月 「梅の吉野村」
...楓に次いで繁茂してゐるのは二本の青桐で...
高浜虚子 「発行所の庭木」
...境界の青桐(あおぎり)と栴檀(せんだん)の葉の隙間(すきま)から...
谷崎潤一郎 「細雪」
...級長藤本はさっきから青桐の下に腕組みをしたまま突っ立って...
永井隆 「長崎の鐘」
...青桐(あおぎり)が裸になっても...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...「八、お前はお滝の部屋の窓から、青桐を伝わって、二階の主人の部屋へ登って見てくれ」「そんな事なら、わけはありませんよ」「そっとやるんだ、いいか」「へェ」八五郎はグイと尻を端折ると、お滝の部屋の窓から身軽に飛出し、鼻の先の逞(たく)ましい青桐の幹に伝わって、何んの苦もなく二階へ登りました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「ハ、庭も惡くないな――少し荒れてゐるが」「それにしちや、冬圍ひが少し早過ぎやしませんか、あの松や青桐が、人の背丈から下を圍つて居ますね」「あんな冬圍ひは無いよ、――どれ」思ひの外大きい庭でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...松と青桐の幹五尺ほど下に藁(わら)がこひをしてあり...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...青桐が三本ばかり並んで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...木の葉は――青桐の廣葉(ひろは)は...
長谷川時雨 「夏の夜」
...その前に聳えている青桐の梢は泥絵具のような重い黒で感じているのであった...
宮本百合子 「芸術が必要とする科学」
...庭の真中に突立って自信のあるらしい様子をして居る青桐がめっきり見すぼらしくなり下って...
宮本百合子 「後庭」
...二階に上って来て手摺から見下したら大きい青桐の木の下に数年前父が夕涼みのために買った竹の床机が出ていて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...南縁の前に大きい青桐...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...外に青桐の葉が嵐っぽい風にもまれているのが見え...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...青桐の風をうけながら折々笑いました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...外の、青桐の花の下で、居眠っているのもあるし、ものうい初蝉の声をよそに、ひそかに、投銭(博奕)をやっている物蔭の一群もある...
吉川英治 「平の将門」
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