...その葉だけは青々したしめり氣を帶びて...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...芝草の青々したのが殘りの夢をさまして呉れる...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...青々した通りを歩いた...
鈴木三重吉 「桑の実」
...青々したひろい草つ場のやうに見えました...
鈴木三重吉 「湖水の鐘」
...その青々した麦を見ていると...
太宰治 「女生徒」
...庭には天鵞絨を敷いたやうな青々した草が生えて...
田中貢太郎 「蟇の血」
...……省三は乾いた咽喉をそれで潤してゐるとその眼の前に青々した蘆の葉が一めんに浮んで来た...
田中貢太郎 「水郷異聞」
...槐(えんじゅ)と竹とが青々した陰を作った処に池があって...
田中貢太郎 「断橋奇聞」
...今泉のいつも剃り立てみたいに青々した四角な顎だの...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...また青々した水草の揺れるのも見える...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「富籤」
...青々した寒竹の茂みから燈籠(とうろう)の灯(ひ)に透けて見えるのも涼しげであった...
徳田秋声 「仮装人物」
...竹のまだ青々した建仁寺垣の結(ゆ)い繞(めぐ)らされた庭の隅には...
徳田秋声 「黴」
...しかしまた田圃づたいに歩いて行く中水田(うちみずた)のところどころに蓮(はす)の花の見事に咲き乱れたさまを眺め青々した稲の葉に夕風のそよぐ響をきけば...
永井荷風 「すみだ川」
...青々した月代(さかやき)を見せます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...シェーン婆さんは青々した草原の向うのほそい流れで馬鈴薯の皮むきに使う板を洗うとやがて自分の小舎に帰って来て泥炭の火の前に腰を下ろした...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「漁師」
...尚ほ見てゐると燈臺の背後は青々した廣い平原となつて澤山の牛が遊んで居る...
若山牧水 「熊野奈智山」
...『潮來出島の眞菰のなかで』といふ眞菰や蒲の青々した蔭にはあやめはやゝ時過ぎてゐたが...
若山牧水 「樹木とその葉」
...それらの手前に青々した平野が田方郡の平野...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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