...書物のページが彼の眼の前で靄(もや)のようにかすんでしまうまで...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「スリーピー・ホローの伝説」
...寒い靄(もや)と煙との間を労働者たちが疲れた五体を引きずりながら歩いて行くのにたくさん出あっているだろう...
有島武郎 「或る女」
...靄(もや)は刈穗(かりほ)のはふり衣(ぎぬ)...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...光りを加減し乍ら自分は海上にたゞよふ漂泊者のやうに涙をためて汝を見送る靄に包まれて汝の沈み果てるまで日に別れて行く汝の姿は悲壯だ...
千家元麿 「自分は見た」
...夕靄(ゆうもや)の白く立ちこめた街(まち)の上を...
相馬泰三 「六月」
...薄い朝靄(あさもや)を透して横から照り付ける日光には帽子の縁は役に立たぬものである...
寺田寅彦 「雑記(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...夕陽はもう靄に隠れたらしかったが...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...あやしの靄が立ちこめて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...あたりは紫色の靄に包まれてもう薄暗くなつてゐたが...
原民喜 「雲雀病院」
...あの靄を含んだ柔らかい空気が顫へだす...
原民喜 「魔のひととき」
......
原民喜 「魔のひととき」
...水面に沿って淡い亡霊のような靄が昇り...
A. ビアス A.Bierce The Creative CAT 訳 「チカモーガ」
...谷底は薔薇色の靄に鎖されている...
モルナール・フェレンツ Molnar Ferenc 森鴎外訳 「破落戸の昇天」
...矢代は国境の方の蒼く幽かに薄靄の立っているあたりを指差して...
横光利一 「旅愁」
...その上に白い夕靄(ゆうもや)が下りて来たので……...
吉川英治 「上杉謙信」
...その夜の靄は南岸の三江地方だけでなく...
吉川英治 「三国志」
...ゆうべのような絶好な夜靄にめぐりあったのですか」「およそ...
吉川英治 「三国志」
...まばゆいばかりぎらぎら燃えている彼方の赤い靄(もや)の中から...
吉川英治 「三国志」
便利!手書き漢字入力検索