...入谷(いりや)の汚い露路の中にある屑屋の家なんです...
伊藤野枝 「ある女の裁判」
...国太郎の言う通りお由が露路に一人でいたとすれば...
海野十三 「白蛇の死」
...デパートの東北の露路(ろじ)のアスファルトの上へです...
大阪圭吉 「デパートの絞刑吏」
...ヴァイオリンを弾く妖精・モリエレルの下男・キャロウの乞食・女装に厚化粧した変態の美青年・椅子直しの角(つの)らっぱ・鳥の餌(えさ)売りの十八世紀の叫び・こうる天ずぼんの夜業工夫・腹巻(ベルト)に剃刀を忍ばせている不良少年(アパッシェ)・安物の絹のまとまったコティ製の女――これらがみんな露路と入口と鋪道をふさいで...
谷譲次 「踊る地平線」
...露路へはいりながら...
長谷川時雨 「旧聞日本橋」
...※(ぬ)け裏(うら)の露路(ろぢ)にかゞむも有(あ)るべし...
樋口一葉 「たけくらべ」
...たしかに来ます」やや遠い露路口で...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...抜裏(ぬけうら)もあれば露路もあるってわけで...
久生十蘭 「雲の小径」
...同じ露路の隅田河の岸には...
広津柳浪 「今戸心中」
...月あかりの露路を運んでゐた時の彼の感慨は果して何んなものであつたか? わたしは夜更の夢にあらはれる笑はぬ彼のまぼろしに訊ねずには居られなかつた...
牧野信一 「浅原六朗抄」
...それから無花果の樹の傍に小さな水たまりがあつて……」樽野は説明しやうとしたが地震後の町営長屋が立てこんでゐる露路奥の母の家を何う道を教へて好いか解らなくなつてしまつた...
牧野信一 「鶴がゐた家」
...この横丁は街中で最も繁華な大通に側して崖際の露路であつた...
牧野信一 「緑の軍港」
...そして不意に露路を飛出してきたあの時の彼女の慌て方...
松本泰 「日蔭の街」
...ゴタゴタと食物店の並んだ露路を出はずれた角のゴム靴などを賣つている店の軒先に...
三好十郎 「肌の匂い」
...彼女は露路を抜けると裏街を流れている泥溝(どろどぶ)に添ってまた歩いた...
横光利一 「上海」
...ふと彼女は露路の入口で売卜者(ばいぼくしゃ)を見つけると...
横光利一 「上海」
...豚や鳥の油でぎらぎらしているその露路の入口から...
横光利一 「上海」
...」彼女は周章(あわ)てて露路の中へ駈け込むと...
横光利一 「上海」
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