...露草の花が咲く季節は短い...
...庭に露草を植えた...
...露草の香りが漂う...
...彼女は露草が好きだと言っていた...
...露草を見つけては写真を撮っている...
...音が通い、雫(しずく)を帯びて、人待石――巨石の割目に茂った、露草の花、蓼(たで)の紅(くれない)も、ここに腰掛けたという判官のその山伏の姿よりは、爽(さわや)かに鎧(よろ)うたる、色よき縅毛(おどしげ)を思わせて、黄金(こがね)の太刀も草摺(くさずり)も鳴るよ、とばかり、松の梢(こずえ)は颯々(さつさつ)と、清水の音に通って涼しい...
泉鏡花 「瓜の涙」
...僧都、それから後に言われた、その董、露草などは、金銀宝玉の類は云うまでもない、魚類ほどにも、人間が珍重しないものと聞く...
泉鏡花 「海神別荘」
...露草の好ましさも忘れてはならない...
種田山頭火 「草と虫とそして」
...・日向はあたたかくて芋虫も散歩する・朝は露草の花のさかりで・身にちかく鴉のなけばなんとなく・くもりしづけく柿の葉のちる音も・萩さいてではいりのみんな触れてゆく聟をとるとて家建てるとて石を運ぶや秋秋空ふかく爆音が...
種田山頭火 「其中日記」
...露草の一茎がどんなに私をいたわってくれることか...
種田山頭火 「白い花」
...両側の土手には草の中に野菊や露草がその時節には花をさかせている...
永井荷風 「葛飾土産」
...露草(つゆくさ)の間(あいだ)を野川の如くに流れていた時分の事である...
永井荷風 「狐」
...江戸川の岸はせめんとにかためられて再び露草(つゆくさ)の花を見ず...
永井荷風 「日和下駄」
......
野口雨情 「雨情民謡百篇」
...露草のように淋しく...
野村胡堂 「悪魔の顔」
...露草、鳳仙花(ほうせんか)、酸漿(ほおずき)、白粉花(おしろいばな)、除虫菊……密集した小さな茎の根元や、くらくらと光線を吸集してうなだれている葉裏に、彼の眼はいつもそそがれる...
原民喜 「苦しく美しき夏」
...道益は露草のなかに坐りこみ...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...この歌ではその最初の声を発するものが縹草即ち小さい露草で...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...夜露を湛へた露草のやうに沾(うる)んでゐました...
牧野信一 「蛍」
...頭は露草の汁(しる)で染めたように青いのである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...これなどはたしかによく熟した露草の実が...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...夜は露草の上に臥しながら……どうでしょう...
吉川英治 「新書太閤記」
...夏の名殘の露草に混つて薄だとか女郎花(をみなへし)だとかいふ草花が白々した露の中に匂ひそめた...
若山牧水 「姉妹」
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