...本人はそつちで占領する――そんな都合のいい計算は人間その物の十露盤(そろばん)上には無いぞ...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...露盤の処から九輪の処に首を突出す事が出来るといふ事は曾て聞いた事もあつた...
高浜虚子 「斑鳩物語」
...觀世撚で縛つた十露盤や蓋の無い硯箱迄一切讓受けた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...片隅の壞れたのが觀世撚で縛つてある十露盤と春三郎は帳簿を繰り擴げて讀み上げた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...其決算の模樣は先月末の如く觀世撚で縛つた十露盤を文太郎が持つと春三郎は「何錢何厘也」と「也」の字を附けて讀上げた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...貸し方の男には常住坐臥不断に片手に十露盤(そろばん)を持つべしと命じて迷惑させるのも心理的である...
寺田寅彦 「西鶴と科学」
...書肆(しょし)の十露盤(そろばん)に大きな狂いを生じたであろうと思われる...
寺田寅彦 「西鶴と科学」
...書物(ほん)も十露盤(そろばん)も入らぬ物にして...
樋口一葉 「たけくらべ」
...書物(ほん)も十露盤(そろばん)も入(い)らぬ物(もの)にして...
樋口一葉 「たけくらべ」
...よみ書き十露盤(そろばん)それは小学校にて学びしだけのことは出来て...
樋口一葉 「ゆく雲」
...よみ書き十露盤(そろばん)それは小學校にて學びし丈のことは出來て...
樋口一葉 「ゆく雲」
......
樋口一葉 「別れ霜」
...小学教育の事 三筆算と十露盤(そろばん)といずれか便利なりと尋ぬれば...
福沢諭吉 「小学教育の事」
...その取扱もまた十露盤に異ならず...
福沢諭吉 「小学教育の事」
...もしもこの生徒が入学中に十露盤の稽古(けいこ)したることならば...
福沢諭吉 「小学教育の事」
...算露盤の一通りを授けて...
福沢諭吉 「新女大学」
...十露盤(そろばん)で当って見ない物はだ...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...東塔露盤の銘文に鋪金未レ遂...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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