...萩寺の萩おもしろし露の身のおくつき處こゝと定めむ去つて...
大町桂月 「吾嬬の森」
...露の身のしばしの程をわたらんとて仏の大いにいましめ給へるわざをするかな...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...恋しさに死ぬる命を思ひいでゝとふ人あらばなしとこたへよ少将かへし骸(から)にだに我きたりてへ露の身の消えばともにと契りおきてきと云うのが見え...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...辞世 一諸(もろ)ともに契(ちぎ)りし事は半(なかば)にて斗満(とまむ)の露と消えしこの身は八十三老白里辞世 二 骨も身もくだけて後ぞ心には永く祈らん斗満(とま)の賑(にぎはひ)八十三老白里死後希望 露の身を風にまかせてそのまゝに落れば土と飛んでそらまで八十三老白里死後希望死出(しで)の山越えて後にぞ楽まん富士の高根(たかね)を目の下に見て八十三老白里と書いてあった...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...露の身はここかしこにてきえぬともこころはおなじ花のうてなぞ鳥羽の南の門から川船に乗って下ることになった...
中里介山 「法然行伝」
...俄(には)かに露の身に寒(さぶ)く...
樋口一葉 「あきあはせ」
...つとめものうきひとすじならばとくも消えなん露の身の日かげしのぶの夜な夜なひとに遇うをつとめのいのちかや紅い唇が...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...魚(うお)積む舟の岸に寄る月重辰(じゅうしん)露の身の島の乞食(こじき)と黒みはて 翁次第にさぶき明暮(あけくれ)の風知足(ちそく)是(これ)は『千鳥掛集(ちどりがけしゅう)』の一聯(いちれん)であった...
柳田国男 「木綿以前の事」
...日々が露の身のおここちだった...
吉川英治 「私本太平記」
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