...老松(おいまつ)の己(おのれ)の露を浴びて濡(ぬ)れ老松に露の命の人往来(ゆきき)老松のたゞ知る昔秋の風九月二十二日 鎌倉俳句会...
高浜虚子 「五百五十句」
...第八消えわびん露の命を...
高山樗牛 「瀧口入道」
...妄念の間に露の命を苦しむ...
高山樗牛 「瀧口入道」
...秋ならぬ風に散りゆく露の命葉(いのちば)...
高山樗牛 「瀧口入道」
...みずからが露の命...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...悪業を作っては露の命をつなぎ...
谷崎潤一郎 「三人法師」
...その文句に耳を傾けていますと、それ人間のさかいを聞けば、閻浮(えんぶ)の衆生は命不定(みょうふじょう)なりとは申せども、成人するまで親に添う人の子多く候ものを、如何なる宿執の報いに依って、我等三歳の時父には生きての別れ、母には死しての別れとなりぬらん、今は早や頼む方なくなり果てゝ迷いの心は晴るゝ日もなく、思いの煙は胸を焦がし、悲しみの涙乾く間もなし、我が身のようなる人しあらば、憂いの道を語り慰むすべもあるべきに、まどろむ隙もなき程に夢にだにも逢い奉らず、身に添うものはあるかなきかのかげろうばかり、僅か三日を過したるだに思いは千年萬年を暮らすに似たり、ましてや行く末の悲しきことはいかばかりぞや、露の命、幾秋をか保つべきとも覚え候わず、かように孤児となり果てんよりは、たゞ願わくは、我等二人をあわれみ給い母諸共に一つ蓮のうてなに迎え給え、と、そう書いてある後に、こざかしくも年号や日附までも記して、奥に下のような歌が添えてあるのです...
谷崎潤一郎 「三人法師」
...露の命のまさに消えんとする時...
新渡戸稲造 「デモクラシーの要素」
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横瀬夜雨 「花守」
...露の命はいつともはかり知れません...
吉川英治 「私本太平記」
...しかるに『古今』においては、もとより単純に露であり雨である場合も多いが、しかし「袖の露」、「露の命」、「涙の雨」というふうな使い方はすでにもう始まっている...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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