...あの霧の事を覚えてゐるだらう』と叔父さんは尋ねました...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...折から霧が濃くなり今にもひどい降りになりそうなので...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...私の方からは眩(まぶ)しい黄金色の光芒の中に狭霧(さぎり)のように朦朧(もうろう)とこの三人の姿は映っているのであった...
橘外男 「逗子物語」
...雨と霧とに滑る山路...
田山録弥 「草津から伊香保まで」
...波のように湧きあがってくる乳色の霧は...
豊島与志雄 「高千穂に思う」
...君はいま濃霧のなかにいる...
豊島与志雄 「父の形見」
...霧は空高く昇ったらしく...
豊島与志雄 「反抗」
...梢には霧の如く白雲がとざして雨になつた...
長塚節 「鉛筆日抄」
...これが雲粒や霧粒の芯になるものである...
中谷宇吉郎 「南極・北極・熱帯の雪」
...僕が霧の中にちらちらと花のほの見えてゐる馬鈴薯畑を前にした...
堀辰雄 「牧歌」
...家々や尖塔が紫の霧に包まれて金色に輝いている...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...雲と霧のおぼろの影と女は立てり浅瀬に洗う女折にふれて女は笑い...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「浅瀬に洗う女」
...朝の粥(かゆ)を食べたりしたあとで夫人の居間へ夕霧ははいって行った...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...空間が輝くと濃霧は水蒸気となつて膨脹した...
横光利一 「静かなる羅列」
...一日一度の発声のようで朝霧をついて来る...
横光利一 「夜の靴」
...夜明けの霧の寒さにジッとかがまって...
吉川英治 「江戸三国志」
...雲霧の手から離れて...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
...捩ぢ切る様な霧がむく/\とこの一座の上を襲うて来た...
若山牧水 「木枯紀行」
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