...霧島(きりしま)...
海野十三 「空襲葬送曲」
...そして同時に現在の暴風圏も濃霧圏も...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...霧の中から真黒な目も鼻もない滑面(のっぺらぼう)の樽のような顔がぬっと出て...
田中貢太郎 「堀切橋の怪異」
...霧が深く、視界の悪い朝だった...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...霧とも雨ともつかない針のようなものが...
豊島与志雄 「画舫」
...霧の向こうにあるようにぼんやり眼にはいった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...曇りだと見えたのは霧のせいだった...
豊島与志雄 「反抗」
...霧(きり)でも捉(つか)む樣(やう)な...
長塚節 「土」
...白々明けの街の霧を踏んで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...霧の間から朝日の光が洩れ...
久生十蘭 「海豹島」
...やがて霧の中で輝いた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「衣裳戸棚」
...晩方の家々の炊事の煙が靄とも霧とも分らない一種の茫とした調子で...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...彼の頭の中のように夕霧の立籠めた中からポカリポカリと光り出して来る自動車の燈火(あかり)やネオンサインに魘(おび)え魘えよろめいて行くうちに...
夢野久作 「殺人迷路」
...何しろ雲霧は目が開けない...
吉川英治 「江戸三国志」
...自分のことばを真似(まね)されたようなものでしたが、それでも、ひとりの話し相手を見つけたと思うと、雲霧は、この生ける墓場が少し明るくなったような気がして、「おれかね...
吉川英治 「江戸三国志」
...笠もあるし、振分も置いてあるのに」「外へ出て、谷間の紅葉(もみじ)でも眺めているんじゃねえか」と、針屋は、口を、むしゃむしゃ動かしながら、何の気なく、店先へ出てゆくと、いきなり物陰から、彼の二の腕へぴしっ、と十手が唸ったと思うと、「雲霧ッ...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
...霧の中では冷たかろうに...
吉川英治 「宮本武蔵」
...對岸の霧のなかに見えつ隱れつしてゐる鮮かな紅葉の色も...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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