...処柄(ところがら)とて春霞(はるがすみ)...
泉鏡花 「伊勢之巻」
...彼は甘い霞(かすみ)に包まれているような気もちになっていた...
田中貢太郎 「水郷異聞」
...家を繞(めぐ)って鉛色(なまりいろ)の朝霞(あさがすみ)...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...四月の天気は温和で霞(かす)んでいた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...それを越して霞(かすみ)ヶ関(せき)...
永井荷風 「銀座」
...霞門の方へ逃げようとする女優の襟首へ...
野村胡堂 「踊る美人像」
...朝霞をつかまえては嘆きに嘆いた...
久生十蘭 「無月物語」
...起伏する駿州の丘陵が霞の中から...
平出修 「計畫」
...さういふものの合成したものがこの町の上に棚曳いてゐる春霞である...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...霞亭は只丸山邸内の一戸を賜はつてこれに住んだのではなく...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...書中には多く北条霞亭の歿後の事が言つてある...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...霞亭の健康を害すべき所以のものを知らぬから...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...茶山の言ふ所は霞亭一家の事には与(あづか)らない...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...剃(そ)りあとの霞(かす)んでいるような眉や...
山本周五郎 「その木戸を通って」
...賑やかな霞が関のお局(つぼね)や...
夢野久作 「斬られたさに」
...かくかくの者は通らなかったかと質(ただ)すと、男のいうには、「髪をさばき、白き行衣(ぎょうえ)を着た人なら、この一水から小舟を拾って本流へ出、そこに待っていた一艘の親船に乗って、霞のごとく、北のほうへ消えました」徐盛、丁奉はいよいよあわてて、「それだ...
吉川英治 「三国志」
...いま一霞(ひとかすみ)...
吉川英治 「私本太平記」
...その先の低地に昼間も霞(かす)んでいた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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