...清教徒風に質素な早月の佗住居(わびずまい)の周囲を霞(かすみ)のように取り巻き始めた...
有島武郎 「或る女」
...ボーツと霞んで居る時に見ても一向鮮かに見えぬ...
泉鏡花 「お花見雜感」
...佐保山姫の天然的基礎の霞なるを...
高木敏雄 「比較神話学」
...あのうすあかい霞(かすみ)の下に...
太宰治 「彼は昔の彼ならず」
...ひどく阿霞に似ているので...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「阿霞」
...或時は高処を示すの手段となしたり(ペルヂンスキイは北斎が描く霞の形状をば西洋手袋の指先を並べたるが如しといへり)...
永井荷風 「江戸芸術論」
...ようやく煙霞を漂わせはじめる...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...向島のあたりは花の霞の裡に...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...眼先が霞(かす)んでポーツとなりますよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...月がぼうと霞んでいる...
火野葦平 「花と龍」
...夕映えの僅かな余光を浴びて頂きのあたりを黄金色に輝かせてゐたが山裾一帯は見渡す限り茫漠たる霞みの煙に閉されて...
牧野信一 「南風譜」
...此も前のと同じく「霞の奧は知らねども」と消極的に言ひたるが理窟に陷り申候...
正岡子規 「歌よみに與ふる書」
...惜むらくは「霞のまより」といふ句が疵(きず)にて候...
正岡子規 「歌よみに與ふる書」
...霞に紛れて飛び去りぬ...
正岡子規 「花枕」
...その百四十三北条霞亭は北遊より江戸に還つて...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...二十四日に関宿に於て霞亭と会した...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...彼の故郷は霞ヶ浦に面した鉾川にある...
山本周五郎 「留さんとその女」
...すでに八面とも雲霞の如き敵影だったが...
吉川英治 「三国志」
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