...彼等が霙に濡れ巷の泥に塗れてサンタ・マリアの寺に辿り着いた時に...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...登るに従って霙まじりの猛烈な風に変った...
石川欣一 「可愛い山」
...一体霙というと、雪と水の合の子みたいなものだが、この時のは雪よりも氷に近く、手や頬が痛く、その烈しい吹き降りの中を、平な頂上で路に迷い、女をまぜての六人の一行だったが、悲鳴をあげた者さえあった...
石川欣一 「可愛い山」
...地気天に上騰(のぼり)形(かたち)を為(なし)て雨○雪○霰(あられ)○霙(みぞれ)○雹(ひよう)となれども...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...そのうちに霙(みぞれ)が降りつゞき...
相馬泰三 「夢」
...上海(シャンハイ)の霙(みぞ)るゝ波止場(はとば)後(あと)にせり二月二十六日 箱根丸船中...
高浜虚子 「五百五十句」
...夜はふくらうの月が出た(追加一句)・寝ざめ雪ふるさびしがるではないが・雪が霙となりおもひうかべてゐる顔・ひとりへひとりがきていつしよにぬくうねる(旧友来庵)・梅はさかりの雪となつただん/\ばたけ雪を見てゐるさびしい微笑・雪のしたゝり誰もこないランプを消して恋のふくらうの逢へら(マヽ)しい声も更けた・枯れた葉の枯れぬ葉の...
種田山頭火 「其中日記」
......
種田山頭火 「其中日記」
...二月廿四日晴――曇――霙...
種田山頭火 「其中日記」
...夜半の霙(みぞれ)で竹の葉が真白になっていることもあった...
田山花袋 「田舎教師」
...いまに霙(みぞれ)でも降ってきそうな空模様であった...
徳永直 「冬枯れ」
...霙(みぞれ)や雪(ゆき)や雨(あめ)が時(とき)として彼等(かれら)の勞働(らうどう)に怖(おそ)るべき障害(しやうがい)を與(あた)へて彼等(かれら)を一日(にち)其(その)寒(さむ)い部屋(へや)に閉(と)ぢ込(こ)めた...
長塚節 「土」
...(霙とおんなじことですよ)4何か...
中原中也 「別離」
...それが普通に霙(みぞれ)と呼ばれているものである...
中谷宇吉郎 「雪」
...わるいことに霙のようなのがぽつりぽつり落ち出した...
野上豊一郎 「吹雪のユンクフラウ」
...暁外は霙でも降つてゐるといふのだらうか...
原民喜 「ある時刻」
...霙(みぞれ)の一夜中の島公会堂で大辻司郎君と乱闘したことはじめ...
正岡容 「わが寄席青春録」
...雪か霙(みぞれ)ではあるまいか...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
便利!手書き漢字入力検索