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石川啄木 「一握の砂」
...売らなきやならない花をならべる・霙ふるポストへ投げこんだ無心状・ぬかるみをきてぬかるみをかへる不幸はたしかに人を反省せしめる...
種田山頭火 「行乞記」
...雨に交って霙(みぞれ)が降った...
田山花袋 「田舎教師」
...霙(みぞれ)がびしょびしょ降って寒い狐(きつね)の啼き声の聞える晩に...
徳田秋声 「足迹」
...霙交りの雨が、ぽつりぽつりと落ちてくる気配だった...
豊島与志雄 「神棚」
...寒々とした灰色の空から霙が落ちかかる...
中島敦 「名人傳」
...お前の『大變』が降るやうぢや」「霙(みぞれ)と間違へちやいけません――兎も角...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...この二三日はびしやびしやと霙のやうな雨ばかり降つてゐた...
林芙美子 「雨」
...夜に入って霙となり雪となりし様子...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...やがて霙がくるだらう...
逸見猶吉 「逸見猶吉詩集」
...今年は時ならぬ霙や雨に妨げられて咲きおくれたといふものゝ...
牧野信一 「書斎を棄てゝ」
...そのころ未だ珍しかつた西洋館も霙いろのペンキもて塗られたものが離れ家として建てられてゐた...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...さらにいろいろさまざまの雨や雪や霙(みぞれ)や霰(あられ)や炭を降らせた...
正岡容 「寄席」
...霙から雨になつてなほ降つてゐた...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...十一月終りは冷たき霙となる...
室生犀星 「抒情小曲集」
...霙(みぞれ)が降っても...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...霙の解け滲(にじ)む陰惨な音は...
蘭郁二郎 「自殺」
...霙(みぞれ)が降っているようだ...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
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