...それに悸毛(おぞけ)を震う様な私どもではございません...
芥川龍之介 「邪宗門」
...手あぶりの縁(ふち)に置かれた手の先がかすかに震うのを葉子は見のがさなかった...
有島武郎 「或る女」
...小刻みに震う前髪がだんだんはっきりと眼につきだして...
有島武郎 「星座」
...紐(ひも)を結(ゆわ)えた頤(おとがい)の震うが見えたり...
泉鏡花 「悪獣篇」
...そして爆撃に震う舗道(ほどう)のうえを全速力でもって...
海野十三 「英本土上陸戦の前夜」
...京都付近が震うた...
田中貢太郎 「日本天変地異記」
...同六日米艦本牧(ほんもく)に入る、幕閣みな震う、会議夜に徹して、さらに定まれる廟算(びょうさん)なし...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...黒い木立ちのかなたうち震う丘の頂には曙(あけぼの)の色が白んでくる...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...おぼろなるうち震う上衣にくるまって直立し...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...静(しずか)なるシャロットには、空気さえ重たげにて、常ならば動くべしとも思われぬを、ただこの梭の音のみにそそのかされて、幽かにも震うか...
夏目漱石 「薤露行」
...『五雑俎』巻九に虎地に拠りて一たび吼ゆれば屋瓦皆震う...
南方熊楠 「十二支考」
...いまだ百歩に至らざるに伏して(ほ)ゆれば声山谷に震う...
南方熊楠 「十二支考」
...しらずしらず体躯が震うのであった...
室生犀星 「幼年時代」
...只方々の戸がことこと震うように鳴るばかりで...
森鴎外 「心中」
...奥津城(おくつき)が皆震う...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...さすがに心が打ち震うのをおさえられないのである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...乾坤(けんこん)も震う一大殺戮戦(さつりくせん)を果たそうとするものだった...
吉川英治 「上杉謙信」
...声だけでも天地を震う...
吉川英治 「上杉謙信」
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