...漸く萌して居た肺病はこれより重く...
石川啄木 「日本無政府主義者陰謀事件經過及び附帶現象」
...この日より萌しぬ...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...もうその土地には興隆の気運が眼に見えぬうちに萌していた...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...私ばかりではなく笑いさざめている妻の心にもおそらく同じ気持が萌したのであろう...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...折角萌しかけてきた一家の喜びに...
豊島与志雄 「神棚」
...前からその計画が胸に萌していたようでもある...
豊島与志雄 「憑きもの」
...フト心中に萌した疑念のために...
久生十蘭 「湖畔」
...既に九つか十くらゐの頃から心に萌してゐたといふことである...
北條民雄 「鬼神」
...意外にも又一縷の希望が萌して来たからでございます...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「うづしほ」
...加(おま)けにそんな想ひを胸のうちに萌してゐるせゐか...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...ふと不安の思ひが萌して顏が曇つて來た...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...早く此頃に萌してゐたらしい...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...漸く萌し漸く熟したのは...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...遠見にはそこに人がいる萌しなんぞさっぱり見えないのだった...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
...両人の間の不和は前に述べた如く第三回遠征に出発する前に萌していたのであるが...
和辻哲郎 「鎖国」
...その頃からもう何かが萌していたのである...
和辻哲郎 「鎖国」
...この時に萌したのであろう...
和辻哲郎 「鎖国」
...もう萌し始めていた...
和辻哲郎 「鎖国」
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