...即ち卒直なる感情よりも零細なる知識を重んずるものである...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...私の零細な知識が...
有島武郎 「広津氏に答う」
...今や實にただこの零細なる一篇の陳辯書あるのみである...
石川啄木 「A LETTER FROM PRISON」
...かなり零細な時間でも利用出来るかと思うが...
高村光太郎 「智恵子の半生」
...かうした零細な作品を以て堂々とした文壇の諸君の大きな作に比べるのは間違つたことであるかも知れない...
田山録弥 「三月の創作」
...あまりにも零細な枝葉の断片に過ぎないものである...
寺田寅彦 「夏目漱石先生の追憶」
...そういう零細な事象までがことごとくこくめいに記録されるのである...
寺田寅彦 「ニュース映画と新聞記事」
...それはその時々の食糧や小遣(こづかい)になる零細な金で...
徳田秋声 「縮図」
...一つの他愛のない零細な煙のような幻想を叙べねばならぬ...
戸坂潤 「友情に関係あるエッセイ」
...自分の受けた浅ましい侮辱をきわめて零細な点まで...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...即ち他の零細なる歳入に求めずして...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...如何に零細なものでも...
豊島与志雄 「「自然」」
...零細なる個人を団結して...
夏目漱石 「三四郎」
...零細な金子(かね)を粒々として貯めていたのである...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...しかし、零細な、身辺小説の中にあって、この老大家の精進はたしかに空谷の足音であった...
平林初之輔 「昭和四年の文壇の概観」
...不本意ながら食物のために必要な零細な印度銀(ルピイ)を得る唯一の道だったので...
牧逸馬 「ヤトラカン・サミ博士の椅子」
...ふだんの零細な家計簿や...
吉川英治 「折々の記」
...この零細な老幼男女の雲集も...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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