...九重雲深く濛として...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...逡巡も疑惑も要するに通り過ぎる雲だ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...凌雲閣には餘り高いのに怖氣(おぢけ)立つて...
石川啄木 「天鵞絨」
...変な事は――そこの旅宿(やどや)と向うの料理屋の中ほどの辻の処からだったんだそうでございましてね――灰色の雲の空から...
泉鏡花 「薄紅梅」
...そのうちに雲雀が花火のやうに空高く上つて...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...迷信の雲が依然として愚民の心天をとざしているのは...
井上円了 「おばけの正体」
...低い白雲の中へ姿を隠してしまった...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...その祟(たたり)は出雲の大神の御心でした...
稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳 「古事記」
...しょっちゅう自分を粉微塵にしてしまおうと身構えている機関車か黒雲のように思えて一刻もその怖ろしさを忘れることが出来なかった...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「頸の上のアンナ」
...しやがんだ散策者の吐き出す煙(けむ)が池の中で夕焼雲に追ひすがる...
富永太郎 「即興」
...白雲悠々の旅心が動くに耐えないのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...雲仙では雲仙その物に登るのであるが...
野上豊一郎 「エトナ」
...リス・トラム・ネル(厚(あつ)い雲(くも)の砦(とりで))という名(な)がついたのだ...
ダグラス・ハイド Douglas Hyde 館野浩美訳 「クリナーンの御殿」
...八雲って店も、「先生」と呼ばれる、老チーフが、科学実験してるみたいな顔で、眼の前で料理するのが、たのしかった...
古川緑波 「八の字づくし」
...さて松嶋の雲居は...
南方熊楠 「きのふけふの草花」
...あん子はただ白つぽい上に白つぽい砂地をふはふはと雲の上を歩くやうな氣で...
室生犀星 「神のない子」
...籠に飼っていた雲雀(ひばり)だけは...
吉川英治 「三国志」
...空の雲へ向けていた放心的な眼にも明らかであった...
吉川英治 「三国志」
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