...雫(しずく)を帯びて...
泉鏡花 「瓜の涙」
...壜の外側に雫が垂れてゐないやうに拭き取つて...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...線路の横には、喬介の推理通り行けども行けども血の雫の跡は消えず、タンク機関車73号は、明かに急速度を出したらしく、もうこの辺では、血の雫の跡も五、六米(メートル)置きにほぼ一定して着いていた...
大阪圭吉 「気狂い機関車」
...頭に落ちた雫(しずく)を拂って...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...丁度糠雨の降る時のような雫の音で...
豊島与志雄 「初秋海浜記」
...上から洩(も)ってくる雫(しずく)が...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...見るうちにまた二雫(ふたしずく)落ちた...
夏目漱石 「虞美人草」
...純白なものに一雫(ひとしずく)の印気(インキ)でも容赦(ようしゃ)なく振り掛けるのは...
夏目漱石 「こころ」
...時々雫(しずく)が落ちて来た...
夏目漱石 「門」
...雫(しづく)も殘さず呑み干してしまつたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...雫(しづく)をきつて差上げました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...手紙に涙をこぼしたように見せかけるために水の雫をたらしてみるといったことだが...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...そして林は虔十の居た時の通り雨が降ってはすき徹(とお)る冷たい雫(しずく)をみじかい草にポタリポタリと落しお日さまが輝(かがや)いては新らしい奇麗な空気をさわやかにはき出すのでした...
宮沢賢治 「虔十公園林」
...橋姫の心を汲(く)みて高瀬さす棹(さを)の雫(しづく)に袖(そで)ぞ濡(ぬ)れぬる寂しいながめばかりをしておいでになるのでしょう...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...雨のごとき雫(しずく)の音...
吉川英治 「江戸三国志」
...そのかわりに……」翡翠(ひすい)の雫(しずく)の滴(したた)っている耳朶(じだ)を桃いろにして...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...魔鳥(まちょう)の羽(は)ばたきがつめたい雫(しずく)をゆりおとして聞えた...
吉川英治 「神州天馬侠」
...その雫(しずく)のしたたる切(き)ッさきを...
吉川英治 「神州天馬侠」
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