...障子外の雨落の雫(しずく)がこの響きで刎(は)ねそうであった...
泉鏡花 「薄紅梅」
...貝に溜(たま)った雫(しずく)ほどにいささかなものでござっての...
泉鏡花 「海神別荘」
...雫一つ中に浸みこませない程確りとくつついてゐる...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...雫の大きさは同じでも...
大阪圭吉 「気狂い機関車」
...薄雪薄氷がうらゝかな日光で解けて雫する...
種田山頭火 「其中日記」
...ふるえて落ちる傘の雫の蔭にちら/\しながら...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...庭の翠松がばら/\と雫(しずく)を散らす...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
......
富澤赤黄男 「天の狼」
...朴の木のもとを洗つて作並の浴槽の側を過ぎ行く水はこゝから見える密樹の根からしぼれ出る雫の聚りである...
長塚節 「旅の日記」
...枝から緑の雫を垂れてヨ...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...見るうちにまた二雫(ふたしずく)落ちた...
夏目漱石 「虞美人草」
...藤波金三郎はあまりの息苦しさに最後の我慢の一の雫(しずく)までも費(つか)い果し...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...海藻(みる)のように雫(しずく)する黒髪...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...棹は水に浸り砂を押しては、また水を抜けて、雫が水に落ちた...
原民喜 「潮干狩」
...上から雫が落ちてぬれ髪のやうな艶をして居るその口へ今や満開の桜の花が二三片散りこむ湯治場の光景である...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...その蓑(みの)からたれた雨の雫...
横光利一 「夜の靴」
...雫(しずく)も余さずのみほした...
吉川英治 「新書太閤記」
...夕立のあとの樹(き)のように鼻の先から雫(しずく)を垂らしながら...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
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