...三月上巳の節句に到れども積雪消えず農家にて雪舟用ゐたり...
太宰治 「津軽」
...Kが滞在中には、つひにその話は解決がつかなかつたが、二三年して、米三君が上京して来た時の話では、その翌年とか、雪消えの後、村の一人が枯枝を集めに山の中に行つてゐると、ふと前に、その前に、黒いものが下つてゐる...
田山録弥 「田舎からの手紙」
...雪消えて草木自(おのず)から生長すと...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...焦ぎ木のむらはなほあれば山の畑の雪消えて〔以下なし〕――――――――青年団が総出にてしだれ桜を截りしなり...
宮沢賢治 「開墾地」
...かかりしほどに法皇(ほうおう)は文治二年の春の頃建礼門院の大原の閑居御覧(ごろう)ぜまほしゅうは思(おぼ)し召されけれども二月弥生(きさらぎやよい)のほどは嵐烈しゅう余寒も未だ尽(つき)ず峰の白雪消えかねて大声張りあげて...
吉川英治 「宮本武蔵」
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