...雪を渡り切ると一間ばかり砂土が露出している...
石川欣一 「可愛い山」
...ふたたび雪のふる街(まち)へさまよいでなくてはならなくなってしまった...
ハーバート・ジョージ・ウエルズ 海野十三訳 「透明人間」
...幸子は、お春の話だけでは様子がはっきりしないけれども、独逸製の陣痛促進剤が得られないために産婦が弱っているのであるなら、何とでもして手に入れる道はあるであろうし、大概の産婦人科病院には、特別の患者のために多少の品が秘蔵されている筈(はず)なので、自分が行って院長に巧(うま)く泣き付けば出させることが出来そうに思えたのであったが、傍から雪子も、もう此処(ここ)まで来て何も世間へ気がねすることはないではないか、と云い、頻(しき)りに見舞いに行くようにすすめるのであった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...箸(はし)のころげたのさえ可笑しい歳頃の松雪院は...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...大正元年十二月二十九日都も鄙(ひな)も押(おし)なべて白妙(しろたえ)を被(き)る風雪の夕武蔵野粕谷の里にて徳冨健次郎都落ちの手帳から千歳村一明治三十九年の十一月中旬...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...お雪は急に暇乞(いとまご)いをして立ち出でるわけにもゆかずに...
中里介山 「大菩薩峠」
...ところで、お雪ちゃん、あなたの珍重すべき所以(ゆえん)を信じますと共に、その危険についても看取しないわけにはいきません、賞(ほ)めているばかりが親切じゃありませんからね――あなたのお年頃、そうして、自己の有する美質を、人に示して惜しまないところには、また非常なる危険がひそんでいることをさとらなければなりません、そこをひとつ、出過ぎた申し分ですが、わたしから忠告をさせていただきたいものです」「どうぞ、御遠慮なくおっしゃって下さい、何と言われても、為めになることをおっしゃっていただく分には、決しておこりませんから」「では申し上げましょうかね...
中里介山 「大菩薩峠」
...雪の山坂を分けて...
中里介山 「大菩薩峠」
...それ以上の便利化は肝心の大雪山の価値を傷つけ...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...従ってフリードリッヒ・マルテンスの雪の結晶とは全く別である...
中谷宇吉郎 「『雪華図説』の研究」
...この種の粉雪の侵入を促進しているものと思われる...
中谷宇吉郎 「雪」
...街燈の真下にかえると何か黒い小さい蛾がとびちがっているような影が雪の上をかすめている...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...雪が高く積もったこの翌朝...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...思いだしたように降る雪もしめりけが多くて...
山本周五郎 「日本婦道記」
...鶴は白毛を雪のごとく散らして逃げまわり...
吉川英治 「神州天馬侠」
...貧苦窮乏の冬日をこえて来た風雪の薫香(くんこう)でなければ...
吉川英治 「新書太閤記」
...雪けむりのうちへ遠く駈け去ってしまった...
吉川英治 「源頼朝」
...斑らな新しい雪を眺めた時...
若山牧水 「渓をおもふ」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??