...難儀なことがおぢやる...
芥川龍之介 「きりしとほろ上人伝」
...例の東北から吹きつける雨は村の家々にはなかなか難儀なもので若い女たちは正面の入口に手桶(ておけ)と長柄雑巾とをもって立ちはだかり侵入する水をふせぐのであるが...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...私は難儀な世の中に生まれ...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...公の申し状は、「某(それがし)の家は父輝国以来筑摩殿の恩顧を蒙つてゐるから、唯今の場合粉骨を盡すのが本意だけれども、難儀なことには、曾祖父の代から一向宗に帰依(きえ)してゐるので、分けて檜垣の衆とは特別な間柄になつてゐる...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...かなりに難儀な迷ひ易い路を一日歩かなければならなかつた...
田山花袋 「日光」
...私がこの難儀な小径を降りて...
ディッケンズ Charles Dickens 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...このような人間の動きを人間の力でとめたりそらしたりするのは天体の運行を勝手にしようとするよりもいっそう難儀なことであるかもしれないのである...
寺田寅彦 「災難雑考」
...この難儀な迷惑な証人の役目を負わせるための適任者は...
寺田寅彦 「初冬の日記から」
...是れ易きに似て実は最も難儀なる仕事なれども...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...こんな時には難儀なことだ...
豊島与志雄 「渡舟場」
...荒天つづきの難儀な船旅をした後...
久生十蘭 「悪の花束」
...紐のない靴でズボンの裾を踏んづけないように長い廊下を行くのはかなり難儀なものだった...
久生十蘭 「ノア」
...種々難儀な目に遭わせたが...
南方熊楠 「十二支考」
...5950あの御難儀なさるのは「帝」だと...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...御難儀な」「いや...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
...玄徳はあいだにあってこの裁きには難儀な容子を示していたが...
吉川英治 「三国志」
...さして難儀な顔もみせないところは...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...この難儀な目に遭(お)うた不愍(ふびん)なばばを!」ばばは...
吉川英治 「宮本武蔵」
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