...何か難儀な事でもあったら...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...またその難儀な道を帰らねばならないことが...
伊藤野枝 「転機」
...難儀な仕事をおおせつかった潤一青年は...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...私は難儀な世の中に生まれ...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...これでは幕府のはうが非常な難儀な事になる...
太宰治 「右大臣実朝」
...公の申し状は、「某(それがし)の家は父輝国以来筑摩殿の恩顧を蒙つてゐるから、唯今の場合粉骨を盡すのが本意だけれども、難儀なことには、曾祖父の代から一向宗に帰依(きえ)してゐるので、分けて檜垣の衆とは特別な間柄になつてゐる...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...かなりに難儀な迷ひ易い路を一日歩かなければならなかつた...
田山花袋 「日光」
...このような人間の動きを人間の力でとめたりそらしたりするのは天体の運行を勝手にしようとするよりもいっそう難儀なことであるかもしれないのである...
寺田寅彦 「災難雑考」
...認識錯誤の場合にはいろいろの難儀な結果が生じる...
寺田寅彦 「錯覚数題」
...そうしていっそう難儀なことはその根本的な無知を自覚しないでほんとうはわからないことをわかったつもりになったりあるいは第二次以下の末梢的(まっしょうてき)因子を第一次の因子と誤認したりして途方もない間違った施設方策をもって世の中に横車を押そうとするもののあることである...
寺田寅彦 「三斜晶系」
...また重力の方則なども恐ろしく難儀なものになるに相違ない...
寺田寅彦 「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」
...どちらも足弱なので一々孫をつれてのおまいりも難儀なため...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...こんな難儀なことはございません」なるほど...
豊島与志雄 「エミリアンの旅」
...下りていくのが難儀なんでさあ」こんなふうに手を貸してやるのはいまいましかったが...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...難儀な航行をつづけなければならぬことになった...
久生十蘭 「海難記」
...今頃はさぞ難儀な目に遭っておいでだろう」「権之助さん...
吉川英治 「宮本武蔵」
...この難儀な目に遭(お)うた不愍(ふびん)なばばを!」ばばは...
吉川英治 「宮本武蔵」
...えらい難儀なお願いがあって参りましたよ...
レスコーフ Nikolai Semyonovich Leskov 神西清訳 「かもじの美術家」
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