...俺は兎に角闇にゐる意識を離れることが出來ない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...私はそれ等を鳥が水から飛び出ようとする――恰も鴨が先ず水を離れる如く――のだと見誤った...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...有力な根拠地布哇(ハワイ)を離れる気になった...
海野十三 「空襲葬送曲」
...思出多き湖畔の町を離れるのでした...
江戸川乱歩 「湖畔亭事件」
...死を離れるの時じゃ...
直木三十五 「南国太平記」
...それが竜之助の眼先にちらついて離れることがありません...
中里介山 「大菩薩峠」
...旦那には離れるし...
長谷川時雨 「一世お鯉」
...本船を離れるが早いか...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...ベッドを離れる決心をすることができないままに...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「変身」
...挨拶もなしに私服らの傍を離れると...
久生十蘭 「魔都」
...一生離れるなとは如何(どう)いう理由(わけ)だ? 分らんじゃないか?今食う米が無くて...
二葉亭四迷 「平凡」
...片桐の部落を離れるころ...
細井吉造 「二つの松川」
...なによりみんなから離れることです...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...自分の坐り込んでしまった「特等席」を離れることは「良心」の名でも「高いものの」名でも「国」の名でも...
三好十郎 「俳優への手紙」
...今の場合だけでなくこの世を離れる際にも絆(ほだし)になるであろうと思われる...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...一日も離れることなく侍(かしず)いている性善坊(しょうぜんぼう)ですら...
吉川英治 「親鸞」
...世の常の花嫁が生家を離れる時のそれとは...
吉川英治 「源頼朝」
...そしていつそ離れるなら少なくも箱根を越した遠くがいゝといふので...
若山牧水 「樹木とその葉」
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