...木村君があなたから離れなければならないものなら...
有島武郎 「或る女」
...毛虫は自分の巣からずつと離れた処に行つてゐる...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...然し是れとても亦(また)来世の約束を離れたる道徳ではない...
内村鑑三 「聖書の読方」
...妻さえも我を離れし現在の寂寥(せきりょう)孤独を...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...その作者の色をつけた描写法からは離れて来てゐた...
田山録弥 「尾崎紅葉とその作品」
...――之は唯物論的存在論――そこでは存在(物質)は運動乃至実践を離れてはあり得ない――の観念論的存在論に対する優越を...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...あの人のそばを離れて行くのが...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...だが、その後は、鈴慕の音色が時あって、不意に起り来(きた)ることはあっても、それは一座会同の席の場合に、聞き合わせることは滅多になかったから、箇々に、離れ離れにこそ、あの音色を問題にしたり、多少の悩みを覚えたりしたことはあっても、「女殺し」といった、印象的批評が、共通して誰もの頭に残っていたわけではなく――なかには仏頂寺弥助の如く、ほとんど、身も世もあられぬほどに、あの音色を嫌いぬいたものもあるが、そのほかは概して、その遣(や)る瀬(せ)なき淋しさから、淋しさの次にあこがれの旅枕の夢をおい、やがて行き行きて、とどまるところを知らぬ、雲と水の行方(ゆくえ)と、夢のあこがれとが、もつれて、無限縹渺(むげんひょうびょう)の路に寄する恋――といったようなところに誘われます...
中里介山 「大菩薩峠」
...余のこのたびの旅行は俗情を離れて...
夏目漱石 「草枕」
...ウージェーヌは翌日にはそこを離れるという確信を抱いて...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...母親が遠くに離れてゐるので...
堀辰雄 「ハイネが何處かで」
...そこを離れると何喰はぬ顔をして立戻り...
牧野信一 「円卓子での話」
...いつたん女優が靜止の状態を離れて...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...腱(けん)ばかりから出来ているような指を離れて...
森鴎外 「杯」
...そこへ千鶴子が後から来て矢代から少し離れて立っていた...
横光利一 「旅愁」
...かならずこの木下のそばを離れぬようにして下さい...
吉川英治 「新書太閤記」
...かれが茶店を離れると一緒についてきた者がある...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...うかと離れられない...
吉川英治 「宮本武蔵」
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