...魚河岸(うおがし)へ鮪(まぐろ)がついたように雑然ところがった石の上を...
芥川龍之介 「槍が岳に登った記」
...それは店員一同が差別なく雑然として食卓につき...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...自転車など置いてあって雑然としている...
林不忘 「安重根」
...芸術家の工房らしく雑然としてはいるけれども...
谷崎潤一郎 「細雪」
...答えがあっちこっちから雑然として起こった...
田山花袋 「田舎教師」
...見たものの記憶はもう雑然として大抵消えてしまっている...
寺田寅彦 「マーカス・ショーとレビュー式教育」
...それらのものが雑然と積もり重なって...
豊島与志雄 「白藤」
...その横の片隅に薬瓶や病床日誌やらが雑然と置かれてある...
豊島与志雄 「生あらば」
...彼はすべてこれらのことの何かの影だにも雑然と思念のうちに取り入れていたであろうか...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...雑然と積み上げられた中で...
野村胡堂 「胡堂百話」
...雀の巣などが雑然と載(の)っている...
久生十蘭 「キャラコさん」
...聞覩(ぶんと)に聚(あつ)まる衣香襟影(いこうきんえい)は紛然雑然として千態万状(ばんじょう)...
二葉亭四迷 「浮雲」
...雑然とちらばったガス燈が...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「予言者の家で」
...今こうやってテーブルに何か雑然と無意味な賑やかさでついている大小さまざまの家族たちであろうか...
宮本百合子 「或る画家の祝宴」
...それ故雑然とした記述を避け...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...その白粉(おしろい)ぎたない雑然とした色彩に...
吉川英治 「江戸三国志」
...一見したところいかにも雑然としているような為政篇が...
和辻哲郎 「孔子」
...しかし記憶力だけではかえって雑然としてまとまりがつかないであろう...
和辻哲郎 「露伴先生の思い出」
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