...雑然として取乱された中で...
芥川龍之介 「水の三日」
...もうたくさんの帳簿や書類が雑然と開きならべられてあった...
有島武郎 「親子」
...雑然として置いてある...
大下宇陀児 「擬似新年」
...馬にいたるまで土とほこりに汚れきった一頭立ての軽馬車を雑然とかためて...
谷譲次 「踊る地平線」
...ロート張りの裸体の群れでも気のきいたところも鋭さもなくただ雑然として物足りない...
寺田寅彦 「昭和二年の二科会と美術院」
...予め考えておかねばならぬ沢山の問題がここには雑然と雑居しているのである...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...実にさまざまな物が雑然とぶちこまれている...
豊島与志雄 「怪異に嫌わる」
...和洋酒混合の雑然とした酔い方をして...
豊島与志雄 「都会の幽気」
...そこにまた他の巨大なるものが雑然と動くのを見た...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...擂鉢(すりばち)の中に攪(か)き廻される里芋(さといも)のごとく紛然雑然とゴロゴロしていてはどうしても浩さんらしくない...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...埃をかぶった古物が雑然とその片鱗を浮きあがらせている...
久生十蘭 「金狼」
...椅子を動かす音が雑然と彼の耳朶(みみたぶ)を打ってきた...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「外套」
...雑然とかつ逆説的に湧き上ったのである...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「群集の人」
...そこなどはいろんな台所道具が雑然と散らかっていて...
堀辰雄 「あいびき」
...その雑然とした中に...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...しかもその構造は甚だ雑然としてちぐはぐであるから...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...演奏やステップの音の雑然とした渦のなかに...
山川方夫 「その一年」
...しかし記憶力だけではかえって雑然としてまとまりがつかないであろう...
和辻哲郎 「露伴先生の思い出」
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