...雑沓した人込みをかき分けて前に進む...
...この街はいつも雑沓とした印象を持つ...
...雑沓から逃れたい一心で、静かな場所に行った...
...雑沓の中で迷子になった子供を探す...
...雑沓の中で大事なものを失くしてしまった...
...河岸のあたりを肩で風切る紳士らの常ならぬ雑沓を...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...雑沓(ざっとう)の間を敏捷(びんしょう)に潜(くぐ)り抜けながら先に立って歩き出した...
谷崎潤一郎 「細雪」
...諸藩の武家をはじめ往来の旅客が集って極めて雑沓するので...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...この買出電車の雑沓はいつもより亦一層激しくなつてゐた或日の朝も十時頃である...
永井荷風 「買出し」
...心ゆくばかり半日を語り尽して酒亭を出でしが表通は相撲の打出し間際にて電車の雑沓甚(はなはだ)しかりければ...
永井荷風 「書かでもの記」
...清元会終りて後雑沓の巷を歩み...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...市中は大分雑沓(ざっとう)していた...
夏目漱石 「それから」
...どんなに雑沓(ざっとう)するかをさも面白そうに例の調子で話して聴(き)かせた後(あと)で...
夏目漱石 「明暗」
...富岡はすぐ雑沓(ざつたふ)の中へまぎれ込んで行つた...
林芙美子 「浮雲」
...やつぱし僕は雑沓のなかをふらふら歩いてゐるのか...
原民喜 「鎮魂歌」
...その狭い場所は種々雑多の人で雑沓してゐた...
原民喜 「廃墟から」
...綺羅雑沓(ざっとう)して都会の花見の盛(さかん)なるさまは裏面に現はれたり...
正岡子規 「俳諧大要」
...「雑沓」に至るまでの...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...そうでしょう?ひろ子は「雑沓」から作品化された姿であらわれて来るのです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...雑沓時の乗車モットーだったが...
矢田津世子 「茶粥の記」
...避難者の雑沓(ざっとう)...
山本笑月 「明治世相百話」
...同ホテルを中心とする丸の内一帯は引続き戦場の如き雑沓を極めおり...
夢野久作 「暗黒公使」
...その惨めな雑沓を見るや否...
吉川英治 「江戸三国志」
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