...雑沓した人込みをかき分けて前に進む...
...この街はいつも雑沓とした印象を持つ...
...雑沓から逃れたい一心で、静かな場所に行った...
...雑沓の中で迷子になった子供を探す...
...雑沓の中で大事なものを失くしてしまった...
...織るがごとき雑沓...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...乗客と見送人の雑沓...
谷譲次 「踊る地平線」
...毎年春は花見客の雑沓(ざっとう)する所である...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...九十八避暑客などの雑沓(ざっとう)している上野の停車場(ステーション)で...
徳田秋声 「あらくれ」
...往来の雑沓(ざっとう)は大分鎮(しず)まっていた...
徳田秋声 「黴」
...東京市中電車雑沓の中にて泥の附きたる杖傘の先をば平然として人の鼻先へ突付ける紳士もあり...
永井荷風 「洋服論」
...市中の賑(にぎ)やかな雑沓(ざっとう)の中を歩いている...
萩原朔太郎 「秋と漫歩」
...海底のような階下の雑沓(ざっとう)の中へ降りて行った...
林芙美子 「新版 放浪記」
...路は来た折よりも更に雑沓していた...
原民喜 「壊滅の序曲」
...駅の広場からすぐバラツクの雑沓がつづいてゐた...
原民喜 「氷花」
...その狭い場所は種々雑多の人で雑沓(ざっとう)していた...
原民喜 「廃墟から」
...雑沓の人混のなかを歩いてゐると...
原民喜 「火の子供」
...押すな押すなの雑沓で...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「鼻」
...まだあまりに騒がしい大都会の雑沓(ざっとう)もなく...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...その雑沓を個人の力で巧(たくみ)に制御しているのです...
与謝野晶子 「激動の中を行く」
...四馬路(スマロ)の方へ掛けて雑沓(ざつたふ)の中をぶらぶらと彷徨(うろつ)き廻つたが容易に時間は経たない...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...雑沓に押されながらこういうと...
吉川英治 「江戸三国志」
...「バビロンの雑沓」を思わせるほどに...
和辻哲郎 「鎖国」
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