...雑沓した人込みをかき分けて前に進む...
...この街はいつも雑沓とした印象を持つ...
...雑沓から逃れたい一心で、静かな場所に行った...
...雑沓の中で迷子になった子供を探す...
...雑沓の中で大事なものを失くしてしまった...
...参詣人が雑沓(ざっとう)するので泥棒の用心をしなければならぬ...
魯迅 井上紅梅訳 「故郷」
...よいの内雑沓する場所だけに...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...乗客と見送人の雑沓...
谷譲次 「踊る地平線」
...厳粛に事務的であるためにはあまりに雑沓している...
谷譲次 「踊る地平線」
...こうしてそこのアルカラ大街の雑沓に紛れ込んでるドン・ホルヘ―― Don George ――の耳に...
谷譲次 「踊る地平線」
...あの忙しい停車場の雑沓で...
谷譲次 「踊る地平線」
...土耳古(トルコ)人・埃及(エジプト)人・あらびや人の大雑沓である...
谷譲次 「踊る地平線」
...新台子の兵站部は今雑沓(ざっとう)を極めていた...
田山花袋 「一兵卒」
...広重の名所絵においては最早(もはや)春朗(しゅんろう)豊国らの描きし葺屋町(ふきやちょう)堺町(さかいちょう)の如き雑沓を見ること能はず...
永井荷風 「江戸芸術論」
...」先刻(さっき)から三人四人と絶えず上って来る見物人で大向(おおむこう)はかなり雑沓(ざっとう)して来た...
永井荷風 「すみだ川」
...今まではその地名さえも知られなかったセエヌの河畔は忽ちの間に散歩の人の雑沓(ざっとう)を来(きた)すようになって...
永井荷風 「夏の町」
...このお寺の裏の方にどこか寝るところがあるだろう」表の方は人が雑沓(ざっとう)しているけれども裏の方は誰もいない...
中里介山 「大菩薩峠」
...それから僕はいつものように雑沓の交叉点に出ている...
原民喜 「鎮魂歌」
...(造語ではなく昔の人の使ひ古した言葉かも知れないが)正月の五日大方人去りて海のホテルの廊長くなる正月休みで雑沓してゐた海浜ホテルも五日になれば大方引上げて客が疎らになつた...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...」「あまりの雑沓にて似も似た女車ばかりでございますもの...
室生犀星 「津の国人」
...雑沓(ざっとう)いはんかたなし...
森鴎外 「うたかたの記」
...幾つかの大きな雑貨店(マガザン)へ入(はひ)つて女が春着(はるぎ)の買物をする雑沓(ざつたふ)をも観た...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...妾は恐ろしい雑沓(ざっとう)の中で...
吉行エイスケ 「バルザックの寝巻姿」
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