...――狭い流しにはそういう種々雑多な人間がいずれも濡れた体を滑(なめ)らかに光らせながら...
芥川龍之介 「戯作三昧」
...雑多な木屑(きくず)等有ると有るものが浮いている...
伊藤左千夫 「水害雑録」
...髷の名称ほど種々雑多なものはない...
上村松園 「髷」
...子供の時には持つてゐた『自然』がすつかり雑多な念や世心に包まれて...
田山録弥 「小説新論」
...胸の中は種々雑多な想いが乱れに乱れ...
――モウパンサン―― 辻潤訳 「頸飾り」
...それなりに種々雑多な記録をひと通り思い浮かべて...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「患者兼同居人」
...一瞬間のうちに種々雑多な表情の色を浮かべていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...その親船に向って、雑多な人が、小舟に乗込んで岸を離れようとする光景が、一種の写真画となって、その書物のうちにはさまれている...
中里介山 「大菩薩峠」
...なにもあんなに雑多なものを皮膚の上へ載(の)せて暮さなくてもの事だ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...人夫どもの雑多な私有品などを焼きつくしたうえ...
久生十蘭 「海豹島」
...そのうちにわたしには小松が精神病の雑多な症状群を連絡もなく模倣していることに気がつきました...
久生十蘭 「ハムレット」
...下の方は種々雑多な旅客の背中にこすられて...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...近世は驚くべき雑多な美を産みました...
柳宗悦 「民藝の性質」
...要するにそんなような種々雑多な印象や記憶の断片や残滓(ざんさい)が...
夢野久作 「木魂」
...――このほかにもなお、雑多な船型や、大小の種類もあるが、総じて船首の飾りや船楼は濃厚な色彩で塗りたて、それに旌旗(せいき)や刀槍のきらめきが満載されているので、その壮大華麗は水天に映じ、言語を絶するばかりである...
吉川英治 「三国志」
...雑多な私用だの、史蹟歩きの目的を持って、十日余りを、近畿附近の旅に今、過ごしている...
吉川英治 「随筆 新平家」
...雑多な生活(くらし)に触れてみるのも...
吉川英治 「宮本武蔵」
...その他雑多なものを寄進した...
和辻哲郎 「鎖国」
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