...子供の時には持つてゐた『自然』がすつかり雑多な念や世心に包まれて...
田山録弥 「小説新論」
...甚だ多方面な様々な可能性を含んでいる処の雑多な内容を...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...楓、桜、梅、檜葉、梔子(くちなし)、無花果(いちぢく)、沈丁花、椿など、雑多な樹木で、熊笹の数株まで添えてありました...
豊島与志雄 「崖下の池」
...雑多な主義主張が交錯して...
豊島与志雄 「現代小説展望」
...巨大雑多な形を取り...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...種々雑多なものを読みあさっていた...
豊島与志雄 「楊先生」
...八百屋そのほか雑多な手代面(つら)が...
久生十蘭 「ボニン島物語」
...その間色(かんしょく)の雑多なペンキで...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...斑(ぶち)等の種々雑多な毛色の犬の群れが駈け寄つた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...他の国の都市は如何に外来の雑多な文化に影響されて不純なものに陥っているでしょう...
柳宗悦 「民藝四十年」
...雑多な者の姿が見える...
吉川英治 「江戸三国志」
...理由というのは、(こうして、繁華な都の中に、大勢して念仏門の道場をかまえ、夜も朝も、雑多な、信徒や、様々な心をもった同門の人々と起き臥しを共にしていたのでは、どうも、ほんとに心を澄まして、一念の称名(しょうみょう)に入ることができません...
吉川英治 「親鸞」
...冬の狭霧(さぎり)がまだ深くて頂上からの眺望も模糊(もこ)としてただ寒さにふるえ上がるばかりだったが、雲間のこぼれ陽が映(さ)すと関門の海峡一帯から、母島の彦島、そのすぐ東岸を少し距てて巌流島が見られ、連絡船の影だの起重機の鉄骨だの、雑多な船舶だの、そして陽がさしても、重工業のうす黒い煤煙(ばいえん)がどことはなく一面に朝をつつんでいる...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...雑多な得物を揮(ふる)いながら...
吉川英治 「宮本武蔵」
...雑多な生活(くらし)に触れてみるのも...
吉川英治 「宮本武蔵」
...――これらのものが絶えず雑多な問題を呼び醒ます...
和辻哲郎 「「ゼエレン・キェルケゴオル」序」
...種々雑多な食物の上に及んでいたばかりでなく...
和辻哲郎 「藤村の個性」
...雑多な記憶材料に一定の方向を与え...
和辻哲郎 「露伴先生の思い出」
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