...もの悲しい話を聞くと、彼女はいつも「焼け野の雉子みたいに泣きたくなる」と言う...
...幾羽の雉子が時々藪蔭から飛び立つた...
石川啄木 「道」
...鐙(あぶみ)の雉子(きじ)のもゝのまがりめ二(ふた)ツ三(み)ツに張砕(はりくだ)けたり...
泉鏡太郎 「怪力」
...―――栗駒の山に朝たつ雉子よりもかりにあはじと思ひしものを此の外に...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...パツと立つてよぎつたのは雉子だつた...
長谷川時雨 「東京に生れて」
...鎌倉河岸から雉子橋(きじばし)ぎわまで...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...雉子は、藤の実を蓄(た)めて、食糧対策を講じるとじゃけ、遠方には行っとらん...
火野葦平 「花と龍」
...やあ、雉子だ、雉子だ、と私達が言い合う暇もないうちに、街道の向うの小さな松林の中に、突然よろめくようになって、その雉子は下りて行った...
堀辰雄 「雉子日記」
...もう飛ぶ力のなくなっているらしいその雉子は...
堀辰雄 「雉子日記」
...もうこれから雉子ヶ淵へ降つて怒田へ登るのさへ危ぶまれて...
牧野信一 「剥製」
...雉子胡麻を食して毎朝来ると見ゆ...
南方熊楠 「十二支考」
...今いう職人に属するものでは誰でも知っている雉子(きじ)(木地)屋敷や轆轤(ろくろ)屋敷...
柳田國男 「地名の研究」
...この先はいつかオール讀物に「雉子郎物語」として書いたやうに...
吉川英治 「折々の記」
...こっちのは雉子(きじ)だから食べてみな」「雉子? 雉子はいけねえ」「なぜ」「焼け野の雉子(きぎす)というじゃねえか...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
...武蔵野の雉子(きじ)や...
吉川英治 「新書太閤記」
...笹むらから雉子(きじ)が飛び立って行ったのであった...
吉川英治 「親鸞」
...雉子町(きじちょう)あたりの脂粉(しふん)の町も...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...雉子(きじ)や野狐(のぎつね)もいそうなほど広大である...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...(書き落したが前の皇族墓地では春のころよく雉子が鳴いた...
若山牧水 「樹木とその葉」
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