...誰(たれ)かの本(ほん)を讀(よ)んでゐた雅量(がりやう)は...
泉鏡太郎 「十六夜」
...なぜならば観客は語のわかりにくい発声を努力して聞き分けながら映画を楽しむだけの雅量を持つていないだろうし...
伊丹万作 「雑文的雑文」
...あまつさえ自分に罪を犯した不義者を心から悔悛(くいあらた)めさせるための修養書を買って与えたという沼南の大雅量は普通人には真似(まね)ても出来ない襟度(きんど)だと心から嘆服した...
内田魯庵 「三十年前の島田沼南」
...自身(じしん)の主義(しゆぎ)を実行(じつかう)し得ざる人は人情(にんじやう)の秘密(ひみつ)を会得(くわいとく)し得ざるが故に他を容(い)るゝ雅量(がりよう)を有せず...
内村鑑三 「時事雑評二三」
...この際これほどの雅量はあってほしい...
大杉栄 「獄中消息」
...これだけの雅量はあらざるべし...
大町桂月 「石田堤」
...そんな雅量を見せそうもないと認めたらば...
ストックトン Francis Richard Stockton 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...願わくならば微笑でもしていて下るほどの雅量を持っていて欲しいということです...
種田山頭火 「鎖ペンを握って」
...而もかの唐土の一詩人がつねにその詩を街上の老嫗にもたらした雅量をもつて君が僕の言葉にきかれるならばそれは僕の幸福といふものだ...
土田杏村 「風は草木にささやいた」
...日本の哲学は今だに大衆が用いている俗語を学術語としてこなすだけの階級的雅量がなく...
戸坂潤 「思想としての文学」
...而も伯は屡々此の雅量と剛情との水準を秤るを忘るゝことあるが為に...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...まったくなんとも答えない方が賢くて雅量があると思ったであろう...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...周囲の事情は雅量に乏しい彼を益(ますます)窮屈にした...
夏目漱石 「道草」
...彼は誰の成功をも心から喜ぶ真心と雅量とを持っていた...
野村胡堂 「楽聖物語」
...雅量のある言葉で...
野村胡堂 「随筆銭形平次」
...敬意をもって相手の愚談を傾聴する雅量を持ちあわせていなかったので...
久生十蘭 「淪落の皇女の覚書」
...身をもつてそれからそれへ酔歩を移してゆくといふことには何うやら未だ雅量にも堪へられず...
牧野信一 「書斎を棄てゝ」
...新人や新思想を容れる雅量はなく...
吉川英治 「三国志」
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