...唯(ただ)偏狭なる自分が衷心から其(その)雅量に感謝する事の出来ないのは...
芥川龍之介 「羅生門の後に」
...ソサイエティーは折り返して百ポンドの金を即座に彼に送ったほどの雅量を示した...
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン Ludwig van Beethoven、フランツ・ゲルハルト・ヴェーゲラー Franz Gerhard Wegeler、エレオノーレ・フォン・ブロイニング Eleonore von Breuning、ロマン・ロラン Romain Rolland 片山敏彦訳 「ベートーヴェンの生涯」
...あまつさえ自分に罪を犯した不義者を心から悔悛(くいあらた)めさせるための修養書を買って与えたという沼南の大雅量は普通人には真似(まね)ても出来ない襟度(きんど)だと心から嘆服した...
内田魯庵 「三十年前の島田沼南」
...不義の対手(あいて)の忘恩者を赦(ゆる)した沼南の大雅量は直接事件に交渉したものの外は余り知らない...
内田魯庵 「三十年前の島田沼南」
...この際これほどの雅量はあってほしい...
大杉栄 「獄中消息」
...そんな雅量を見せそうもないと認めたらば...
ストックトン Francis Richard Stockton 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...なお大政治家たる雅量(がりょう)あり...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...千紛を除いて大計を定むるの雅量ありしが如し...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...而も伯は屡々此の雅量と剛情との水準を秤るを忘るゝことあるが為に...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...まったくなんとも答えない方が賢くて雅量があると思ったであろう...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...その好意を喜んで受けるだけの雅量はあること...
豊島与志雄 「反抗」
...他の長を認めてこれを公平に鑑別するの雅量をも相当に持っていたらしい...
中里介山 「大菩薩峠」
...周囲の事情は雅量に乏しい彼を益(ますます)窮屈にした...
夏目漱石 「道草」
...雅量のある言葉で...
野村胡堂 「随筆銭形平次」
...何んなりと訊いてくれ」猪之助は雅量(がりやう)を示して身を開きました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...身をもつてそれからそれへ酔歩を移してゆくといふことには何うやら未だ雅量にも堪へられず...
牧野信一 「書斎を棄てゝ」
...身をもつて風物に溶け込むだけの雅量が見出し難かつた...
牧野信一 「痩身記」
...大気な人間を容れる雅量のないおひとだ」「では別に何か先生には...
吉川英治 「三国志」
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