...雅趣余りあらざるに非ざるも...
芥川龍之介 「文芸鑑賞講座」
...樹皮にはウメノキゴケを生じ雅趣ある木が何本となく並んでゐる...
今井邦子 「伊那紀行」
...家が潰れかかっているさまも却って雅趣がみえて嬉しかった...
上村松園 「余齢初旅」
...ベルリンの街は家並が揃って雅趣がある...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...その飾り気のなさや無邪気な雅趣によって...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「イオーヌィチ」
...その邊の風景も落着いてゐて一層雅趣が豐であつたかも知れぬ...
近松秋江 「湖光島影」
...夫人のは筆蹟も文章も古への歌人のやうな雅趣を帯びてゐた...
徳田秋聲 「芭蕉と歯朶」
...元禄宝永の演芸は鳥居派初期の丹絵(たんえ)の如く豪放の中(うち)稚気を帯びたる精神はその簡易にしてしかも突飛(とっぴ)なる形式と相俟(あいま)つてここに不可思議なる雅趣を示せしものなるべし...
永井荷風 「江戸芸術論」
...なかなか雅趣があっていいのがあります……だが...
中里介山 「大菩薩峠」
...湿気によって生ずる特殊な雅趣を...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...その色ざめた中にある雅趣...
モーリス・ルブラン Maurice Leblanc 婦人文化研究会訳 「探偵小説アルセーヌ・ルパン」
...そのこれを冷眼に視る処において多少の雅趣を生ずるをや...
正岡子規 「俳諧大要」
...景を写し情を写し時を写し多少の雅趣を添う...
正岡子規 「俳人蕪村」
...全体俗にして一点の雅趣なき者もまた月並調とはいふ...
正岡子規 「墨汁一滴」
...なるほど考へて見ると田舎には何でも一家の内でやるから雅趣のあることが多い...
正岡子規 「墨汁一滴」
...それに彼がいかなる雅趣といかなる優美とをもってこの豊富な内容を装飾したかは...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...一種不可思議な雅趣を示している...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...李白の登岳の詩に見るやうな縹渺たる仙界的雅趣は寧ろ此の千山に存するのであらう...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
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