...雅趣余りあらざるに非ざるも...
芥川龍之介 「文芸鑑賞講座」
...樹皮にはウメノキゴケを生じ雅趣ある木が何本となく並んでゐる...
今井邦子 「伊那紀行」
...ベルリンの街は家並が揃って雅趣がある...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...その邊の風景も落着いてゐて一層雅趣が豐であつたかも知れぬ...
近松秋江 「湖光島影」
...夫人のは筆蹟も文章も古への歌人のやうな雅趣を帯びてゐた...
徳田秋聲 「芭蕉と歯朶」
...元禄宝永の演芸は鳥居派初期の丹絵(たんえ)の如く豪放の中(うち)稚気を帯びたる精神はその簡易にしてしかも突飛(とっぴ)なる形式と相俟(あいま)つてここに不可思議なる雅趣を示せしものなるべし...
永井荷風 「江戸芸術論」
...湿気によって生ずる特殊な雅趣を...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...大へん雅趣が深くなつた...
萩原朔太郎 「歳末に近き或る冬の日の日記」
...その姿からいえばまことに雅趣掬すべき野蓼で...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...云ひがたない雅趣にさそはれたものであつたけれど...
正岡容 「巣鴨菊」
...丙は雅趣を解して繊巧を解せず...
正岡子規 「俳諧大要」
...景を写し情を写し時を写し多少の雅趣を添う...
正岡子規 「俳人蕪村」
...なるほど考へて見ると田舎には何でも一家の内でやるから雅趣のあることが多い...
正岡子規 「墨汁一滴」
...いかにも雅趣のありそうな自然石が目について驚いたことでありました...
三澤勝衛 「自力更生より自然力更生へ」
...多少の閑情雅趣を占め得たことは...
森鴎外 「鴎外漁史とは誰ぞ」
...それに彼がいかなる雅趣といかなる優美とをもってこの豊富な内容を装飾したかは...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...李白の登岳の詩に見るやうな縹渺たる仙界的雅趣は寧ろ此の千山に存するのであらう...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...雅趣のある荘院風といった家構(やがま)え...
吉川英治 「私本太平記」
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