...――玄関の隣の四畳半の隅にか細い文太郎を押しつけた上...
芥川龍之介 「玄鶴山房」
...隣の空き部屋へとんでいって...
江戸川乱歩 「サーカスの怪人」
...おみつはもう隣村の小学校に通っていた...
豊島与志雄 「土地」
...死? 死とはあまりに無能である」宗近君は籐(と)の椅子(いす)に横平(おうへい)な腰を据えてさっきから隣りの琴(こと)を聴いている...
夏目漱石 「虞美人草」
...惜しい事をした」「何が行ってしまったんだ」「あの女がさ」「あの女とは」「隣りのさ」「隣りの?」「あの琴(こと)の主さ...
夏目漱石 「虞美人草」
...簾一重(すだれひとえ)の隣で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「今まで隣町に一戸を構へさせ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...隣が両替屋、前が千代田橋、横が鶏肉(とりにく)屋、橋の向うが煙草屋、電車から降りると、私は色んなものが豊かな気持ちで目についた...
林芙美子 「新版 放浪記」
...思ひがけなく隣室が開いて銀色の頭髪をした美しい女が...
林芙美子 「瑪瑙盤」
...隣の寺の觀音樣御手を膝に柔和の御相これも笑めるが如く...
樋口一葉 「ゆく雲」
...隣の家(うち)で能(よ)く琴を浚(さら)っているが...
二葉亭四迷 「平凡」
...)早速「新婚隣り組」の本を読ませ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...もう隣りの部屋で酒盛りをはじめてゐる一同のやかましい声が聞えた...
牧野信一 「山男と男装の美女」
...これは東隣の荒島山(あらしまやま)と背くらべをして...
柳田國男 「日本の伝説」
...昔隣りの郡から分家をして来た者が...
柳田國男 「日本の伝説」
...もう一層激しいのは隣室の中国人同様全く西洋の模倣そのままの頭だった...
横光利一 「旅愁」
...ちょうど熊谷高校、その他の中学男女生の修学旅行とぶつかり、押しもまれながら、遺品館を一巡、すぐ隣の、英世博士の生家に入って、五分間ほど佇立、何がな、ものを思わせられる...
吉川英治 「随筆 新平家」
...「レイモンドさん!レイモンドさん!」境の戸の閉めてない隣りの室から...
モーリス・ルプラン 菊池寛訳 「奇巌城」
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