...けれども長い時間となげやりな家主の注意とが残りなくそれを蝕(むしば)んだ...
有島武郎 「星座」
...殆んど残りなく聞込んで来る...
石川啄木 「菊池君」
...自然の恵みを残りなく甘受できる安居楽業の地であった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...戸は残りなく鎖(とざ)されている...
夏目漱石 「京に着ける夕」
...父は残りなく○○が学校を出てから以後の経歴を話して聞かせた後...
夏目漱石 「行人」
...残りなく自己を放擲(ほうてき)した...
夏目漱石 「それから」
...彼は自分の前に置かれた紅茶茶碗の底に冷たく浮いている檸檬(レモン)の一切(ひときれ)を除(よ)けるようにしてその余りを残りなく啜(すす)った...
夏目漱石 「明暗」
......
野口雨情 「朝おき雀」
...残りなく寸断に為(な)し終りて...
樋口一葉 「軒もる月」
...その目的と危機一髪の窮状に至るまで残りなく物語る...
久生十蘭 「魔都」
...その者の犯行当夜の行動も私には残りなく判っております」「ほほう...
久生十蘭 「魔都」
...残りなくちっていった...
正岡容 「寄席」
...心から残りなく身を委ねていた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...残りなく自我の全部を絶望の中に叩きこむことができた...
三好十郎 「恐怖の季節」
...我々がもっぱら必要とする事柄を残りなく語るからである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...仔細(しさい)残りなく話してくれい...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...残りなく洗われてしまった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...そして残りなく美しく染っている...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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