...母親のしつかりした声が障子越しに聞えた...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...ふと眼覚めて硝子障子越しに見ると...
種田山頭火 「道中記」
...ガラス障子越しに庭の楓(かえで)や檜(ひのき)のこずえが見え...
寺田寅彦 「柿の種」
...遠くからガラスの障子越しにながめるばかりで...
寺田寅彦 「亮の追憶」
...それをお絹の座敷へ障子越しに投げ込みました...
中里介山 「大菩薩峠」
...「まあ、お嬢様、御無事でいらっしゃいまして何よりでございます、ほんとに、よく御無事でいらっしゃいました」こういって、遠慮なく、障子越しに、なれなれしい言葉を聞いたものだから、暴女王が、悪女の名を記す筆をとどめて、あっけに取られました...
中里介山 「大菩薩峠」
...のみならず、障子越しに、こんななれなれしい言葉をかけてから、縁側へ進み寄って、「御無礼いたします、お嬢様」と言って、障子を引開けてしまったのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...惜哉(おしいかな)障子越しで玉の御姿(おんすがた)を拝する事が出来ない...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...障子越しにたしなめました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...障子越しに脇腹を刺されて――」十五の娘はこれだけ言つて唇を顫(ふる)はせます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...背後から障子越しに――」お吉は餘りの物凄(ものすさ)まじい光景を思ひ出したものか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...障子越しに射た矢が胸に突つ立つて命を奪ることも考へられます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...外から間違ひの無い見當をつけて障子越しに背中を刺したのだよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...丸田は寝ながら障子越しに客の話す喉(のど)太い其の地声を聞いてゐるうちに...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
...冬日の障子越しに...
吉川英治 「御鷹」
...そして障子越しの冬の陽に...
吉川英治 「折々の記」
...障子越しの春の日が程よく暖かい...
吉川英治 「新書太閤記」
...障子越し硝子越しに有馬の河鹿哉と物理学的名吟を示され...
吉川英治 「随筆 新平家」
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