...馬場の中心より各三十間を隔てゝ一が藁人形竝の人だけありて...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...三藏はラムプを隔てゝちら/\と見る...
高濱虚子 「俳諧師」
...春草の野を蹈むように足袋(たび)を隔てゝ私の足の裏を喜ばせる...
谷崎潤一郎 「少年」
...わが家(や)とは市(いち)ヶ谷(や)谷町(たにまち)の窪地(くぼち)を隔てしのみなれば日ごと二階なるわが書斎に来りてそこらに積載(つみの)せたる新古の小説雑書のたぐひ何くれとなく読みあさりぬ...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...席を隔てて李陵を見ては目配せをし...
中島敦 「李陵」
...「銭形の親分さん、御苦労様で」「御主人は私を知っていなさるだろうね」「ヘエ、よく存じております」「強盗の入った日のことを復習(おさらい)して貰いたいが」平次とガラッ八は、煙草盆を隔てて、近々と主人の徳七と相対しました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...御遺骸は?」「此方にお出でを願ひ度い」案内したのは二た間三間を隔てた奧でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「飛んだことだつたね」「いやもう、ひどいやり口で、私も膽をつぶしました、どうぞ此方へ、――家内の部屋へ御案内いたしませう」案内してくれたのは、店の次の六疊で、其處から佛間へ居間へと續き、お勝手を隔てゝ、主人の部屋は遙かに遠くのやうです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...庭を隔てて母屋の方の縁側に...
原民喜 「廃墟から」
...ひとり露国はわずかに天山の北幹を隔てて...
日野強 「新疆所感」
...それから少し隔てて上手の松の陰には重盛が床几に腰かけて松王と対談している様子で...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...大きな溝(みぞ)を隔てて...
堀辰雄 「幼年時代」
...にわかに厳格に二人の間を隔てることはできないと大目に見ていたが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...二日を隔てて来るようになる...
森鴎外 「二人の友」
...嶺(みね)を隔てた長久保(ながくぼ)の新町(しんまち)あたりで...
柳田国男 「木綿以前の事」
...その砂浜を隔てゝ向ふには...
吉江喬松 「伊良湖の旅」
...五尺の隔てながら双方の姿は...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...隔てる相手を踏み破って...
吉川英治 「宮本武蔵」
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