...それから十二畳と廊下を隔てて玄関とならぶ茶席風(ふう)の六畳を案内し...
有島武郎 「或る女」
...百里隔てて立ち話のできる今日(こんにち)でも変らぬ自然の掟(おきて)だ」「なによ...
伊藤左千夫 「春の潮」
...はるかに霧を隔てて...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...住(すま)へる人また遠くこの世を隔てたるにはあらずやと疑はる...
田山花袋 「秋の岐蘇路」
...その又となりが廊下を一つ隔てゝ上司君の部屋...
近松秋江 「初雪」
...ただ日本はその国土と隣接大陸との間にちょっとした海を隔てているおかげでシベリアの奥にある大気活動中心の峻烈(しゅんれつ)な支配をいくらか緩和された形で受けているのである...
寺田寅彦 「日本人の自然観」
...そうして私達の間を隔ててあった板に穴を彼があけたことを見つけたときであった...
コナンドイル 三上於莵吉訳 「グロリア・スコット号」
...武州の御岳山(みたけさん)と多摩川を隔てて向き合ったところに...
中里介山 「大菩薩峠」
...この日から一日隔てゝ四月の一日自分は初めて歌會の席上に列した...
長塚節 「竹の里人〔三〕」
...幅広に腰を蔽(おお)う藤尾の帯を一尺隔てて宗近(むねちか)君と甲野(こうの)さんが立っている...
夏目漱石 「虞美人草」
...しばらく佇(たたず)んでいると廊下を隔てて向うの座敷でベルの音がする...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...二百年を隔てて、バッハの音楽は、我らの心に不断の光と歓びと、そして慎(つつし)みとを与えずにはおかない...
野村胡堂 「楽聖物語」
...川を隔てた福井屋の二階欄干からは...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...行くかたをながめもやらんこの秋は逢坂山を霧な隔てそこんな歌を口ずさんでいた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...御簾(みす)に几帳(きちょう)を添えただけの隔てで...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...南の島町通(しままちどほり)には街を隔てて籾蔵(もみぐら)がある...
森鴎外 「大塩平八郎」
...こうした「上下の隔てない」...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...ペツク其他(そのた)の小さい田舎(ゐなか)の村を隔てて巴里(パリイ)の大市街を二里の彼方(あなた)に見渡して居る...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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