...幾多の山河を隔ててゐる越前の国へ...
芥川龍之介 「芋粥」
...一歩を隔てた約束の世界に...
芥川龍之介 「上海游記」
...隔ては一重で、つい目の前(さき)の、丁子巴の紋を見ると、莞爾々々(にこにこ)と笑いかけて、黙って引込(ひっこ)むと、またばたばたばた...
泉鏡花 「婦系図」
...畳二畳半ばかり隔てて父の前に座した...
伊藤左千夫 「春の潮」
...そこから五間ばかり隔てて...
大杉栄 「続獄中記」
...とすれば明石海峽一つを隔てた西宮産所の傀儡子が...
竹内勝太郎 「淡路人形座訪問」
...その節その男の懐に這入っていたのでござります」今は僅(わず)かに一二尺の距離を隔てゝ差し向いになっている河内介は...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...あるいは中庭を隔てて遠くからかちんかちんという金物の音が聞えたり...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...でも彼は自分とハスレルとを隔てる人々の着物や足の間に...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...わたくしの仮寓していた家の裏庭からは竹垣一重を隔て...
永井荷風 「葛飾土産」
...川を隔てて向うの崖道を七兵衛と共に歩いて行ったのが...
中里介山 「大菩薩峠」
...ガラス一枚を隔てた二つの世界はまったく別の世界である...
中谷宇吉郎 「異魚」
...路(みち)を隔てた真ん向うには大きな唐金(からかね)の仏様があった...
夏目漱石 「道草」
...かくて根源的空間性即ち自と他とを隔てる外面性は全く克服されるやうに見える...
波多野精一 「時と永遠」
...または各十年を隔てるこれらの時期が正しい平均を表わさないか...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...行くかたをながめもやらんこの秋は逢坂山を霧な隔てそこんな歌を口ずさんでいた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...豊川(とよかわ)の流れを隔てて西東に...
柳田國男 「日本の伝説」
...しかも十数世紀を隔てた今日に到って...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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