...村人がさがしに行くと坊やんは青ざめた顔をして渓流を隔てた向ふの山の中腹に立ちつくして居た...
飯田蛇笏 「秋風」
...右方(うほう)は原を隔てて琵琶(びわ)沼がある...
押川春浪補 「本州横断 痛快徒歩旅行」
...義雄の現事業地もたツた一晝夜の隣り――ただ海一つが隔てだ...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...どれもこれも靴を隔てて痒きを掻くの流を出でなかった...
海野十三 「地球発狂事件」
...三尺ばかりの土間を隔てて...
大杉栄 「獄中記」
...椅子を二三隔てた時には...
辰野九紫 「青バスの女」
...そうして四十年近い空白を隔てて再び彼の歴史のページの上にバットやボールの影がさし始めたのはようやく昨今のことである...
寺田寅彦 「野球時代」
...裏庭へ突きぬける長い土間を隔てて...
徳田秋声 「仮装人物」
...河を隔てゝ向河岸(むかうがし)にゐる百姓と話をする百姓の真似をする物真似である...
ドストエウスキー Fyodor Mikhailovich Dostoevski 森林太郎訳 「鰐」
...多摩川を一つ向うへ隔てた吉野村の...
中里介山 「大菩薩峠」
...今度はハッキリと顫えを帯びた彼の声が布一枚隔てた外から聞えてきた...
中島敦 「虎狩」
...庭に彳めば谷を隔てゝ名に負ふ瀧のかゝれるもみゆるに...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...二百数十年を隔てて...
野村胡堂 「楽聖物語」
...水隔て鼠茅花の花投ぐる事許りして飽かざらしかな幼時を思ひ出した歌...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...二つ三つ部屋を隔てた廣間で宴會があつて...
正宗白鳥 「新婚旅行」
...せめてもうしばらくの間こちらで養生をなさいませ」この人が病床との隔てに几帳(きちょう)だけを置いて看護をしているのである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...田圃(たんぼ)を隔てた町のほうから...
山本周五郎 「青べか物語」
...池に臨んだ並びの二間(ま)ほど隔てた先の部屋で...
吉川英治 「大岡越前」
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