...身は遙(はるか)に席を隔てて拜伏(はいふく)しぬ...
高山樗牛 「瀧口入道」
...両句は十年あまりの歳月を隔ててゐる...
種田山頭火 「草木塔」
...更にこの大雪がそれを遠く隔てゝ了つたのは...
田山花袋 「道綱の母」
...パリを西北に百粁(キロメートル)ほど隔てるエヴルー(Evreux)の町に...
レオン・ワルラス Leon Walras 手塚壽郎訳 「純粋経済学要論」
...破簾(やれみす)を下げて煤(すす)だらけの勝手を隔てた...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...何枚か壁を隔てた向こうらしくもある...
永井隆 「長崎の鐘」
...次の間を隔てる襖の前へ来ると...
中里介山 「大菩薩峠」
...丁度私は磁石に吸はれたやうに隔ての襖へ耳をつけ聞いても聞きとれぬ程女は静にものいふのである...
長塚節 「隣室の客」
...書院から泉水を隔てて約二百メイトルの小山に立つ松琴亭の床の間には...
野上豐一郎 「桂離宮」
...往来を隔ててお濠(ほり)になっております...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...すでに十二年を隔てて今日相遭うといっているから...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...濠の水を隔てて石崖の上に枝葉を展げて乱舞してゐるやうな一本の樹木……...
原民喜 「火の子供」
...冬は流を隔てて筑土の時雨...
正岡容 「巣鴨菊」
...かれらは別々の命運のもとに寄り合つた者共だが、隔てが取れ、ただの二三度の關係で、何も彼も打ち明けて世間から選ばれた二人の人間になつてゐた...
室生犀星 「汽車で逢つた女」
...今按ずるに、安石の生年文政七年より推せば、志保は文政六年の頃綿貫が許にゐて、七年に安石を生み、中二年を隔てて、十年に榛軒に嫁したのであらう...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...わたくしの部屋と中廊下を隔てて向きあっていた...
山本周五郎 「やぶからし」
...かくの如くすぐその心のとおり違った姿をもってしばらく隔てていたのだった...
吉川英治 「新書太閤記」
...それらを分け隔てる地平線が見えなくなってしまうからだ...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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