...……娑婆界を隔つる谷へ...
芥川龍之介 「河童」
...最後に彼と他人とを隔つ可き何物もない時には...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...半町ばかり浜のなぐれに隔つる処に...
泉鏡花 「悪獣篇」
...たとい三成此の地に在って幾千里の山河を隔つるとも...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...こゝから一里ほど隔つたA町にあつて...
田山録弥 「路傍の小草」
...列国数十山を界し海を隔つといへども坤輿の上あに足跡の通ぜざるなしとせんや...
津田左右吉 「史論の流行」
...他のトロイアと脛甲の善きアカイアの雜軍は、晴天のもと悠然と相爭ひつ、日輪の 370つよき光に照らされて、地上並に山上にかゝる雲霧の影を見ず、且つ戰ひて且つ休み、唸りを生じ飛び來る亂刄避けて彼と此、間を隔つ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...幽明何をか隔つる...
徳冨蘆花 「馬上三日の記」
...自分と彼らとを隔つる溝渠(みぞ)を感じていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...歐陽通の時代とは三四十年しか隔つて居りませぬが...
内藤湖南 「弘法大師の文藝」
...一町とは隔つてゐない吾家の門前まで走つてきた時であつた...
永井荷風 「冬の夜がたり」
...顧れば一行の乘つて來た船は追手に帆を揚げて雨の中に遙かに隔つて居る...
長塚節 「鉛筆日抄」
...罪のないことだと思つて振り返つて見ると遙かに隔つた...
長塚節 「月見の夕」
...学校は私の家からでは大分隔つて居たので教師の寓居も遠かつた...
長塚節 「隣室の客」
...最も優(やさ)しいものがあんたから遠く隔つてゐるから...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...浦人の塩汲(く)む袖(そで)にくらべ見よ波路隔つる夜の衣をという夫人から...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...二つの館の間二十余町を隔つ...
柳田国男 「遠野物語」
...遂にその暗黒と光明を隔つる紙一枚の境を踏み破らなければならぬ時が来た...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
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