...横浜で倉地のあとに続いて船室への階子段(はしごだん)を下る時始めて嗅(か)ぎ覚えたウイスキーと葉巻とのまじり合ったような甘たるい一種の香(にお)いが...
有島武郎 「或る女」
...つや(彼女の名はつやといった)は階子段(はしごだん)下の玄関に続く六畳の茶の間から始めて...
有島武郎 「或る女」
...階子段(はしごだん)が横(よこ)に走(はし)る...
泉鏡太郎 「飯坂ゆき」
...階子段(はしごだん)の下あたりで...
泉鏡花 「婦系図」
...表階子の方へ跫音(あしおと)がして...
泉鏡花 「婦系図」
...階子段を靜かに昇つて來たのは意外にも春さんといふ女であつた...
長塚節 「菜の花」
...隣の障子が開いて女は一人のお婆さんと階子段をおりて行つた...
長塚節 「隣室の客」
...軈て女中は階子段から番頭を喚ぶと番頭は小綺麗な蒲団を抱えて上つて来た...
長塚節 「隣室の客」
...汚(きたな)い階子段(はしごだん)を上がって...
夏目漱石 「長谷川君と余」
...何んの理由もなく階子段から落ちて...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...階子段に塗る馬鹿があるもんか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...階子から庇を渡って...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...階子段の口から北向の欄干まで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そこそこに柳水亭の階子段を駆け下りて下足をもらうとまだ土砂降りの往来へと飛び出してしまった...
正岡容 「随筆 寄席囃子」
...階子段(はしごだん)を踏む足音がしたが...
正宗白鳥 「假面」
...」女中が出て行つて階子段を下りると...
正宗白鳥 「新婚旅行」
...どうぞお二階へお上りなされませ」と云った時には階子段を見上げてホッとタメ息を吐(つ)いたという...
夢野久作 「近世快人伝」
...私はずん/\階子段を上つてしまつた...
若山牧水 「岬の端」
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