...隅々には脱ぎ棄てたる衣服と解き卸したる兵器とあるのみ...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...明治の昔、流行した、パノラマ館、ジオラマ館、メーズ、さては数年前滅亡した、浅草の十二階などと同じ、追想的な懐かしさ、いかもので、ゴタゴタして、隅々に何かしら、ギョッとする秘密が隠されていそうな、あの不思議な魅力を、現代の東京に求めるならば、恐らくこの国技館の菊人形であろう...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...数寄(すき)を凝らした剪栽(うゑこみ)の隅々まで案内してみせた...
薄田泣菫 「茶話」
...こうして見ると旧劇と云うものはずいぶん田舎の隅々(すみずみ)にまでも行きわたって...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...身體の隅々まで物音がはいりこんで犇(ひし)めき合ふ...
田畑修一郎 「南方」
...一篇広告の隅々まで読み終りし頃は身体ようやく動揺になれて心地やゝすが/\しくなり...
寺田寅彦 「東上記」
...隅々まで事件の詳細を申し上げますので...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...一通りその隅々まで見て歩くのはまだ優しい人で...
中里介山 「大菩薩峠」
...かつ結晶の隅々(すみずみ)まで行き渡らすには自然対流を用いるのが一番良いことは考えて見れば何でもないことであった...
中谷宇吉郎 「雪を作る話」
...部屋の中は隅々までもよく整頓されて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そのかわり細胞の隅々(すみずみ)まで完膚なきまで治療されてゆく...
原民喜 「苦しく美しき夏」
...病気がネジ山の隅々に蔓延しているので...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「死の川」
...部屋を隅々までさっと見渡した...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...私は隅々まで知っていますが...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...世界の隅々を廻って歩いて思いがけない処から思いがけない逸物を掘り出す愉しさは...
宮本百合子 「伊太利亜の古陶」
...木口もいいし隅々に神経のゆきとどいた...
山本周五郎 「新潮記」
...貝は、寺内の隅々から、畦(あぜ)を隔てた宿場にまで流れて行った...
吉川英治 「新書太閤記」
...このことの影響は国民の性格や文化の隅々にまで及んでいる...
和辻哲郎 「鎖国」
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