...室の隅々には鳥銃や釣竿...
アーヴィング 高垣松雄訳 「クリスマス・イーヴ」
...死んだ松助などは家にいるときもあのとおりであろうと想像されるような発声のしかたであつたが劇場の隅々までよくとおつた...
伊丹万作 「雑文的雑文」
...そして其の鉄の枠の隅々をしつかりと固めて...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...その赤くなつた疊の隅々に影を潜めてゐた...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...くりかえしくりかえし、世界の隅々で、黒くなつた灰からパッと炎が立ちあがるように、ブラウンの醜聞とか、僧侶ポター家を破滅させるとかいう古い物語が現われるのであつた...
G・K・チェスタートン G. K. Chesterton 村崎敏郎訳 「ブラウン神父の醜聞」
...あの暗い天井の隅々を...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...隅々(すみずみ)まで数寄(すき)を凝らしたお茶趣味のものだったが...
徳田秋声 「仮装人物」
...世界の隅々に、いろいろな形で存在した奴隷制の意識、それを彼らは空間の中に、一つの徴しとして、画然と地上に置いて去ったのである...
中井正一 「美学入門」
...さしもに広い大江戸は愚か三ヶ(さんが)の津(つ)の隅々にまで喧伝(けんでん)せしめた一代の名著も...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...かく戸棚の隅々を調べにかかったのは...
中里介山 「大菩薩峠」
...薫風(くんぷう)と五月(さつき)の陽光が長屋の隅々まで行き渡るある朝のこと...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...案外隅々までも照して...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...もうひつそりと鎮まつた野営の隅々にまでひろまり...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...隅々まで構成の注意が感じられます...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...数馬は門内に入って人数を屋敷の隅々に配った...
森鴎外 「阿部一族」
...完成した人間の細胞の隅々までも...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...隅々の皮がたるんで...
夢野久作 「霊感!」
...煙草の隅々に時計が並べてある...
横光利一 「欧洲紀行」
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