...今年の夏は陽春のような天気だった...
...彼のライブは陽春ながらも大成功だった...
...彼女は陽春なスピーチで会場を魅了した...
...このレストランの料理は陽春だが、味は悪くない...
...彼の小説は陽春なストーリーだが、心に残るものがある...
...陽春(ようしゅん)四月頃の花壇(かだん)の中に坐ったような光景だった...
海野十三 「柿色の紙風船」
...遂に陽春四月に入ると全く危篤の状態に陥った...
海野十三 「棺桶の花嫁」
...陽春とは名ばかりの...
海野十三 「深夜の市長」
...陽春の午後の暖い日ざしを浴び...
太宰治 「乞食学生」
...落花紛々の陽春なり...
太宰治 「花吹雪」
...群がり寄せて陽春の花をめぐりて飛び翔けり...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...三里の大菩薩峠を目ざして行く時は前にいった通り陽春の五月...
中里介山 「山道」
...陽春白雪の詩には和するもの少なしの喩(たとえ)も古い昔からある事だ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...唐詩選にある劉廷芝(りゅうていし)の詩「天津橋下陽春ノ水...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...陽春ああ、春は遠くからけぶつて来る、ぽつくりふくらんだ柳の芽のしたに、やさしいくちびるをさしよせ、をとめのくちづけを吸ひこみたさに、春は遠くからごむ輪のくるまにのつて来る...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...陽春二三月 楊柳斉作レ花春風一夜入二閨闥一楊花飄蕩落二南家一含レ情出レ戸脚無レ力 拾二得楊花一涙沾レ臆秋去春来双燕子 願銜二楊花一入裏一灯の下に横坐りになりながら...
林芙美子 「新版 放浪記」
...世(よ)は冬(ふゆ)なれど陽春(ようしゆん)三月(ぐわつ)のおもかげ...
樋口一葉 「われから」
...幽谷陽春を発せんと...
南方熊楠 「十二支考」
...来年、陽春を待って、攻め入っても遅くありますまい」と、一致して意見したので、彼も断念して、そのまま許都へ還ってしまった...
吉川英治 「三国志」
...陽春に遇(あ)わず君見ずや東海の老叟(ろうそう)荊榛(けいしん)を辞す石橋(せっきょう)の壮士誰かよく伸びん広施(こうし)三百六十釣(ちょう)風雅遂に文王と親し八百の諸侯...
吉川英治 「三国志」
...――ま、申さば、陽春の気と共に、蛇も穴を出るとやらのことか」「では……」と、義辰は俄に、その猪首(いくび)と声をひくめて...
吉川英治 「私本太平記」
...成願寺(じょうがんじ)の陽春和尚を請(しょう)じ...
吉川英治 「新書太閤記」
...山藤の花が垂れ下がって酔うばかり匂っていた某年陽春の一日...
吉川英治 「随筆 新平家」
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