...だから私は腹の底に依然として険しい感情を蓄(たくわ)えながら...
芥川龍之介 「蜜柑」
...だから私は腹の底に依然として険しい感情を蓄へながら...
芥川龍之介 「蜜柑」
...険しい困苦と戦いながら...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...険しい氷の斜面に出喰わして引返した...
石川欣一 「可愛い山」
...坐るや否や先づ険しい眼尻を一層険しくして...
石川啄木 「天鵞絨」
...しかし皆何故水から引き上げられた犬みたいに険しい惨(みじ)めな眼付をしているのだろう...
梅崎春生 「蜆」
...細い険しい道である...
種田山頭火 「其中日記」
...険しいさびしい性格になつて常に家庭の悲劇を起した母も死んだ...
田山花袋 「父の墓」
...宝船の主人は、つまり、この乃公(おれ)だ」彼は、麻縄(ロープ)でぐるぐる巻にされ、甲板に転がっている僕等に気がつくと、また、険しい眼付で、ピストルの銃口を向けた...
寺島柾史 「怪奇人造島」
...面食らう農夫へその険しい顔を見せる...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...蜿蜒(えんえん)とつづいてる険しい小山を...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...そしてその険しい道によって人は理想的完全の域に近づく...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...険しい眼をして、右源太を見た...
直木三十五 「三人の相馬大作」
...使の士は、入って来ると、険しい、牧の眼に、眼を伏せて「斉彬様、御相続の儀、只今、閣老にて御内定になりましてござります」牧は、頷いた...
直木三十五 「南国太平記」
...黒の着流しで、定紋(じょうもん)は放(はな)れ駒(ごま)、博多(はかた)の帯を締めて、朱微塵(しゅみじん)、海老鞘(えびざや)の刀脇差(わきざし)をさし、羽織(はおり)はつけず、脚絆草鞋(きゃはんわらじ)もつけず、この険しい道を、素足に下駄穿きでサッサッと登りつめて、いま頂上の見晴らしのよいところへ来て、深い編笠(あみがさ)をかたげて、甲州路の方(かた)を見廻しました...
中里介山 「大菩薩峠」
...険しい眼つきでこちらへふりかえった...
久生十蘭 「黒い手帳」
...薄黒(うすぐら)くなつた古塔の険しい二つの尖(さき)に桃色の温かい夕日が当(あた)つて居た...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...眼の険しい四十男であった...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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