...倉地はともすると敵の間諜(かんちょう)ではないかと疑うような険しい目で葉子をにらむようになった...
有島武郎 「或る女」
...命をなげ出さんばかりの険しい一日の労働の結果は...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...野鼠の様な地球の険しい背なかを匍匐することはそも誰が始めたかを痩せて矮少(ママ)である ORGANE を愛撫しつゝ歴史本の空ペエヂを翻へす心は平和な文弱である...
李箱 「LE URINE」
...」蝸牛は険しい顔をしました...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...」支那人の険しい眼つきは...
薄田泣菫 「茶話」
...そして新劇の先駆者としてその険しい道を拓(ひら)きはじめた...
薄田泣菫 「茶話」
...眼のあたりには険しい色があらわれた...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...丁度そのイーをしたような心持のする険しい顔を一寸して...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...宝船の主人は、つまり、この乃公(おれ)だ」彼は、麻縄(ロープ)でぐるぐる巻にされ、甲板に転がっている僕等に気がつくと、また、険しい眼付で、ピストルの銃口を向けた...
寺島柾史 「怪奇人造島」
...何か険しいものが潜んでいた...
徳田秋声 「縮図」
...眼付に黒ずんだ険しい光を帯びていた...
豊島与志雄 「女と帽子」
...凡てが険しい分岐点に立っていた...
豊島与志雄 「生あらば」
...使の士は、入って来ると、険しい、牧の眼に、眼を伏せて「斉彬様、御相続の儀、只今、閣老にて御内定になりましてござります」牧は、頷いた...
直木三十五 「南国太平記」
...険しい眼へいった...
直木三十五 「南国太平記」
...ふと彼の険しい顔色に気がつくと...
北條民雄 「道化芝居」
...坂口は或事を考えて急に険しい顔付になった...
松本泰 「P丘の殺人事件」
...平次郎は険しい顔を向けてわめいた...
吉川英治 「親鸞」
...来る事をも禁じてある際なので私は険しい顔をして二人を見た...
若山牧水 「青年僧と叡山の老爺」
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