...井戸はない老人向うに何かが見えないか青年私が見るものは石のあひだに枯葉に半ば埋まつた穴ばかり老人お前はそれほどの尊い賜物が見つけ出されると思ふのかただ舟に帆をひろげるだけの骨折で険しい山を登るだけの骨折で? ああ...
ウイリヤム・バトラ・イエーツ 松村みね子訳 「鷹の井戸(一幕)」
...険しい面を持つ峰であるという...
石川欣一 「可愛い山」
...坐るや否や先づ険しい眼尻を一層険しくして...
石川啄木 「天鵞絨」
...座ると不思議に険しい気持が去つてゆつたりと落ちついた気分になり...
伊藤野枝 「惑ひ」
...しかし皆何故水から引き上げられた犬みたいに険しい惨(みじ)めな眼付をしているのだろう...
梅崎春生 「蜆」
...かなり険しい小さな岩山がある...
梅崎春生 「八ガ岳に追いかえされる」
...それを傍から見下している機関大尉フランクの顔は、これはまた反対に、非常に険しい...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...その道は遠くて険しいかも知らないが...
薄田泣菫 「茶話」
...それは険しい道だ...
種田山頭火 「其中日記」
...目つきの険しい男とをこの出刃庖丁と並べて見た時はなんだか不安なような感じがした...
寺田寅彦 「芝刈り」
...その険しい顔がいつも以上に厳しいものになって...
三上於菟吉訳 大久保ゆう改訳 「自転車乗りの影」
...僕は少し険しい声で訊ねてみました...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「土色の顔」
...手狭な庸三の家庭に低迷している険しい空気に堪えられるはずもなかった...
徳田秋声 「仮装人物」
...いつ険しい顔をして怒るということもなかった...
徳田秋声 「縮図」
...蜿蜒(えんえん)とつづいてる険しい小山を...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...馬が走ったし、提灯が飛んだし、若侍が、若党が、小者が――女まで、険しい眼をし、呼吸をはずませて、走った...
直木三十五 「南国太平記」
...早くも上がってきた頬に刀傷のある目の険しい五十彼是(かれこれ)の渡世人上がりの四谷杉大門の寄席の主へ...
正岡容 「小説 圓朝」
...険しい路を猿のやうに軽捷に馳せ下る幾人かの樵夫に出会つた...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
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