...倉地はともすると敵の間諜(かんちょう)ではないかと疑うような険しい目で葉子をにらむようになった...
有島武郎 「或る女」
...安全燈(ランプ)を拾った?」係長は険しい顔で振り返った...
大阪圭吉 「坑鬼」
...これまた険しい表情で...
高見順 「如何なる星の下に」
...烈しく私を非難するように険しい色を見せたがまたさりげなく二人のほうに注がれていた...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
...丁度そのイーをしたような心持のする険しい顔を一寸して...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...目つきの険しい男とをこの出刃庖丁と並べて見た時はなんだか不安なような感じがした...
寺田寅彦 「芝刈り」
...森の中の長い険しい岩だった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...「ははあ――」八郎太は、さも感心したようにいったが「当山の許しを得たと仰しゃれば、是非もござらぬが――念のために、許可状を拝見致しとうござる」後方にいた侍が、険しい眼をして、八郎太の方へ向き直った...
直木三十五 「南国太平記」
...そして、鏡を、絹へ包みかけて、もう一度、自分の顔を、写してみて(よく、剣難の相とか、水難の相とか、ということがあるが――)と、じっと、自分の顔を見ていると、何かしち、いつもよりも、険しいものが、眉に、眼に現れていた...
直木三十五 「南国太平記」
...俊太郎は、険しい眼をして、「ここへ、一寸、腰をかけて...
直木三十五 「ロボットとベッドの重量」
...険しい眼などを見ると...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...扉(ドア)の前にドロ山の険しい巓(みね)に生えている輝やくばかりの見事な瑠璃草(るりそう)が十六束置かれてあった...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...もっと険しい道を通って来たのに...
三木清 「語られざる哲学」
...そこからが険しい山路のハイキングコース...
三好達治 「オルゴール」
...更に険しい分水嶺を登りつづけたやうな次第であつた...
三好達治 「オルゴール」
...この日はもっとも険しい...
吉川英治 「私本太平記」
...来る事をも禁じてある際なので私は険しい顔をして二人を見た...
若山牧水 「青年僧と叡山の老爺」
...眉根の険しい感じのする...
渡辺温 「ああ華族様だよ と私は嘘を吐くのであった」
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