...いかに陳弁しても...
太宰治 「作家の像」
...佐助も気の毒に思い恐る恐るその旨(むね)を取り次いで陳弁(ちんべん)するとにわかに顔の色を変えて月謝や付け届けをやかましく云うのを慾張りのように思うか知れぬがそんな訳ではない銭金はどうでもよけれど大体の目安を定めて置かなんだら師弟の礼儀というものが成り立たぬ...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...病気をすっがわるかじゃなっか」と幾たびか陳弁(いいわけ)すれど...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...此点に関する陳弁の如何に苦渋を極めたるかを見よ...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...自由党総務委員の陳弁亦此の意義を明解する能はず...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...而も其の総務委員の陳弁を見るに...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...あの舟を借りちまったんだよ」頭ごなしに陳弁を試みた米友...
中里介山 「大菩薩峠」
...また認めたとすればこの手段と条約締結という目的との関係を彼はどんなふうに陳弁したのか...
服部之総 「撥陵遠征隊」
...陳弁(ちんべん)いたしようもない...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...もし鶴子を殺したとすればその男の仕業に相違ないと陳弁したが...
久生十蘭 「魔都」
...かかる場合には裁判官は聊(いさゝ)か態度を慇懃(いんぎん)にし審理を鄭重にし成るべく被告の陳弁を静に聴いて居る...
平出修 「公判」
...一ノ関さまについてどう陳弁するかは...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...薬用にという陳弁の仕方はどうも苦しいが「三日に一度」とあるなどは全く可愛らしいものだ...
吉川英治 「美しい日本の歴史」
...さしひかえているところであると陳弁した...
吉川英治 「三国志」
...どこ一点怪しむかどもない明瞭な陳弁だった...
吉川英治 「私本太平記」
...陳弁(ちんべん)につとめる...
吉川英治 「新書太閤記」
...陳弁ならば公庁で吐(ほ)ざけ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...謝罪と陳弁をつくして藩士たちの感情を極力なだめることに努めれば...
吉川英治 「宮本武蔵」
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