...父が敵の陰険な手段にかゝって落命したと思うより外には...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...それにも拘らずこの著作権審査会なるものが思想善導の新しい陰険な武器を意味するものと世間は判定したのである...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...例えば無意味で陰険な謙遜という東洋的な著者の悪習も...
戸坂潤 「読書法」
...肉欲的な陰険な輝いた眼で...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...なんという陰険な悪意であることぞ! 沈黙によって...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...「陰険な子だ!」とテナルディエ夫婦は言っていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...それにしてもこんな陰険な振舞をするのは誰だろう...
久生十蘭 「金狼」
...この陰険な風景を眺めていた...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...ずうずうしい陰険な面付きをしていた...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「鐘塔の悪魔」
...不断(ただ)でさえ日の眼に当ることなしに不断にじめじめと陰険な渋面をつくって猜疑(さいぎ)の眼ばかりを据えているあの憎たらしい坂道は...
牧野信一 「ゼーロン」
...かなり陰険な働きをするものである...
三田村鳶魚 「話に聞いた近藤勇」
...その眼には何となく陰険なものが潜んでいた...
宮嶋資夫 「恨なき殺人」
...忽ち水に住む霊怪の陰険な係蹄(わな)に掛かつたかと思ふやうに...
カミイユ・ルモンニエエ Camille Lemonnier 森林太郎訳 「聖ニコラウスの夜」
...誰がこれ程の陰険な事を敢てしただらう...
アンリ・ド・レニエエ Henri de Regnier 森林太郎訳 「復讐」
...わたしは明白な不正を陰険な不正ほどには...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...彼は密かに陰険な悦(えつ)を洩らして...
吉川英治 「剣難女難」
...自己の目的をとげようという四郎の狡獪(こうかい)な陰険なゆすりの手段は...
吉川英治 「親鸞」
...陰険な悪党となり...
和辻哲郎 「「自然」を深めよ」
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