...ひどく陰険な貴族である...
江戸川乱歩 「月と手袋」
...而(しか)してその間になんらの陰険なる野心もなく...
大隈重信 「選挙人に与う」
...畢竟(ひっきょう)するに俗悪陰険なる選挙界の反映に過ぎぬのである...
大隈重信 「選挙人に与う」
...その考えはハイドという男の陰険な入れ知恵から出ていたのであった...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...不遇(ふぐう)を誇称して世の中の有名な人たちに陰険ないやがらせを行うというような...
太宰治 「風の便り」
...変幻極まりない陰険な英国の印度政策のすべてをグザと見せ付けられたような気持がしたのであった...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...がこの家(うち)の陰険な先祖の仮髪(かつら)をかぶった蒼白いフフンというような顔が一つ二つ古色蒼然たる画布の中から見下(みおろ)していた...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「作男・ゴーの名誉」
...もっと陰険な女でなければならないはずである...
デフォー Daniel Defoe 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...その目的は貿易者の善意に出でずして陰険なる外交家の分子を含むにせよ...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...其の敵党に対する戦法の卑劣にして且つ陰険なるは暫らく之れを措くも...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...高木は、刀を提げたまま、じっと、立っていたが、四ツ本が、人々の背後へ入って、陰険な眼で、睨んでいるのを見ると「出ろっ、四ツ本、卑怯者っ」と、叫んで、刀を振りかざすが早いか、飛びかかった...
直木三十五 「南国太平記」
...この天武もまた陰険な人であった...
蜷川新 「天皇」
...陰険な睨みあいが...
久生十蘭 「海難記」
...ズブズブと足の方から陰険なようすをした泥河の中へはまりこんで行った...
久生十蘭 「地底獣国」
...それからカルクマンが、陰険な、言いあらわしようもなくきびしい表情で、ほの暗い明りの中で向きなおって、ほかの者に顔をみせた...
アルジャナン・ブラックウッド 森郁夫訳 「秘密礼拜式」
...階段のところで出会った男の陰険な容貌(ようぼう)を思い出したとき...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「アッシャー家の崩壊」
...一体陰険な奴ですが...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...陰険な悪党となり...
和辻哲郎 「「自然」を深めよ」
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