...ばか笑いをしている最中に不思議に陰険な目つきをちらつかせたりした...
有島武郎 「或る女」
...陰険な力を秘めたラレイが現われようというのではないか...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...裏ではこれだけの陰険な悪事を企(たくら)んで伯爵を嗾(そそのか)している殿下の方こそ...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...陰険な悪意を押しかくして...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...その結果は計らずも〔君主〕の陰険な心事を暴露すると共に...
戸坂潤 「読書法」
...何かしらそこに陰険な狡猾なものが加わってくるのだった...
豊島与志雄 「田舎者」
...今日によって中途に引止められさえしなければ!今日によって足下にたえず張られてる陰険な罠(わな)へ陥(おちい)って蹉跌(さてつ)することさえないならば!かくて彼は...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...ほとんどすべての家に起こる夫婦間の激しい暗闘の陰険な一形式であることを...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...妙な陰険な眼付で見返した...
豊島与志雄 「微笑」
...一見人をして恐怖を感ぜしめるほど陰険な顔もなければまた神経過敏な顔もない...
永井荷風 「寺じまの記」
...この天武もまた陰険な人であった...
蜷川新 「天皇」
...ある者は陰険な謀殺を完了し...
久生十蘭 「魔都」
...これが陰険な共謀の根本原因だ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...「エヘン」という陰険な咳払いはベイツ氏が会議中発した唯一の言葉だった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「玉手箱」
...この陰険な阿呆め...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...その眼には何となく陰険なものが潜んでいた...
宮嶋資夫 「恨なき殺人」
...陰険な狙撃(そげき)の矢に中(あた)つたのである...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...彼は密かに陰険な悦(えつ)を洩らして...
吉川英治 「剣難女難」
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