...一見白痴の様に見えてその奥底に何とも云えぬ陰険な相がある...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...その独逸(ドイツ)の陰険なる権謀術数のために大なる禍を受けたものであった...
大隈重信 「永久平和の先決問題」
...陰険なる輩に奪われて...
大隈重信 「憲政に於ける輿論の勢力」
...陰険な力を秘めたラレイが現われようというのではないか...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...陰険な悪意を押しかくして...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...その結果は計らずも〔君主〕の陰険な心事を暴露すると共に...
戸坂潤 「読書法」
...必ずや陰険な仕返しをするに違いありません...
豊島与志雄 「化生のもの」
...肉欲的な陰険な輝いた眼で...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...なんという陰険な悪意であることぞ! 沈黙によって...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...極めて露骨な陰険な光りを帯びるようになった...
豊島与志雄 「理想の女」
...彼女が立ち聞きしていないことは叔父にはいっそう陰険なことに思われたので...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...それにしてもこんな陰険な振舞をするのは誰だろう...
久生十蘭 「金狼」
...近東人種特有の陰険な微笑を浮べた...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...線路も、跨橋も、指示標(シグナル)も、給水槽(タンク)も朦朧たる霧の面(ヤシマク)をつけ、一種、陰険なようすで、佇んでいた...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...日仏離間を策す一石二鳥の陰険な目的が窺われるのである...
久生十蘭 「魔都」
...陰険な山下松次は...
火野葦平 「花と龍」
...それからカルクマンが、陰険な、言いあらわしようもなくきびしい表情で、ほの暗い明りの中で向きなおって、ほかの者に顔をみせた...
アルジャナン・ブラックウッド 森郁夫訳 「秘密礼拜式」
...マーストパーク競馬場の策略なんぞ些細なもんだ」コプリが陰険な目を少しぎらつかせて...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
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