...ひどく陰険な貴族である...
江戸川乱歩 「月と手袋」
...陰険な奴だというようなことを言う...
大隈重信 「学問の独立と東京専門学校の創立」
...陰険なる輩に奪われて...
大隈重信 「憲政に於ける輿論の勢力」
...ところが我輩や福沢先生はそんな辛抱強い陰険なことが出来ない...
大隈重信 「福沢先生の処世主義と我輩の処世主義」
...陰険な力を秘めたラレイが現われようというのではないか...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...父が敵の陰険な手段にかゝって落命したと思うより外には...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...城は師父ブラウンのような英蘭(イングランド)人にはお伽話(とぎばなし)に出て来る魔女のかぶる陰険な尖り帽を思い出させるのであった...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「作男・ゴーの名誉」
...その目的は貿易者の善意に出でずして陰険なる外交家の分子を含むにせよ...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...先輩に対する反感を伏蔵してゐる陰険な沈黙寡言の風は少しも認められない...
永井荷風 「来訪者」
...それにしてもこんな陰険な振舞をするのは誰だろう...
久生十蘭 「金狼」
...近東人種特有の陰険な微笑を浮べた...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...その冷執陰険なることはユウゴオの「噫無情(レ・ミゼラーブル)」に登場するかのジャヴェル探偵にもゆめゆめ劣らぬ事はすでに述べた...
久生十蘭 「魔都」
...階段のところで出会った男の陰険な容貌(ようぼう)を思い出したとき...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「アッシャー家の崩壊」
...ずうずうしい陰険な面付きをしていた...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「鐘塔の悪魔」
...母と同じく陰険な苦笑を浮べた...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...青い陰険な顔をした法王...
宮本百合子 「インターナショナルとともに」
...誰がこれ程の陰険な事を敢てしただらう...
アンリ・ド・レニエエ Henri de Regnier 森林太郎訳 「復讐」
...また陰険な罠(わな)がたえず彼に仕掛けられていた...
吉川英治 「随筆 新平家」
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