...畢竟(ひっきょう)するに俗悪陰険なる選挙界の反映に過ぎぬのである...
大隈重信 「選挙人に与う」
...その考えはハイドという男の陰険な入れ知恵から出ていたのであった...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...陰険な力を秘めたラレイが現われようというのではないか...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...不遇(ふぐう)を誇称して世の中の有名な人たちに陰険ないやがらせを行うというような...
太宰治 「風の便り」
...(夫はそういう点は実に陰険なのである)そうかといって一回々々新しい方法を案出することは不可能に近い...
谷崎潤一郎 「鍵」
...そう云う人が春琴の技に及ばないと云う噂を立てられては盲人であるだけに根強い意趣を含んだでもあろうし何とかして彼女の技術と評判とを葬(ほうむ)り去る陰険な手段をも考えたであろうよく芸の上の嫉妬から水銀を飲ましたと云う例を聞くが春琴の場合は声楽と器楽と両方であったから彼女の見え坊と器量自慢とに附け込み再び公衆の面前へ出られぬように相を変えさせたと云うのである...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...其半生の悲惨なる歴史の跡が一々その陰険な皺(しわ)の中に織り込まれて居るやうに思はれる...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...それにも拘らずこの著作権審査会なるものが思想善導の新しい陰険な武器を意味するものと世間は判定したのである...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...私そんな陰険な心の人は大嫌い...
豊島与志雄 「反抗」
...この天武もまた陰険な人であった...
蜷川新 「天皇」
...極めて陰険なる手段を用いジリジリ静かに攻め来りたり...
野中到 「寒中滞岳記」
...日仏離間を策す一石二鳥の陰険な目的が窺われるのである...
久生十蘭 「魔都」
...「エヘン」という陰険な咳払いはベイツ氏が会議中発した唯一の言葉だった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「玉手箱」
...陰険な悪知恵があります...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「玉手箱」
...欲張りでずるい陰険な目に気づいて...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「幽霊島」
...陰険な親し味に溶け合ふ場合だつた...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...青い陰険な顔をした法王...
宮本百合子 「インターナショナルとともに」
...本当に乱暴で陰険な女教師なのである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
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