...かような陰気臭いところへ――」と...
直木三十五 「南国太平記」
...今日は朝から陰気臭い日和(ひより)であった...
中里介山 「大菩薩峠」
...こんな陰気臭いところへ...
中里介山 「大菩薩峠」
...四鈴子夫人は陰気臭い喪服を脱いで...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...しばらくあの陰気臭い半兵衛のところに我慢しているが――などと申しておりました」「まとまったものとはなんだ」「そこまではわかりませんが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その後方に設けてある傍聴人席は殆どたそがれどきのやうに陰気臭い...
平出修 「公判」
...おとなの話をむしろ陰気臭い目をして...
室生犀星 「後の日の童子」
...そうしてあんな陰気臭い伝説にまつわられない明るい自由な世界に出ようではありませんか」「ま嬉しい」と未亡人は涙に濡れた顔を上げて不意に私の手を執って握り締めた...
夢野久作 「あやかしの鼓」
...タッタ一つ眼に残っているのはあの鉛色の水銀燈のイヤアな光りだけなんで……まったくあの陰気臭い生冷(なまづ)めてえ光りばっかりは骨身に泌みて怖ろしゅうがしたよ...
夢の久作(夢野久作) 「人間腸詰」
...むろん船長の見込だけあって、腕は相当に立つし、温柔(おとな)しくもあったが、しかし、その陰気臭い、妙に気取った二人の姿を見た最初から、水夫長は何となく「虫が好かない」と思った...
夢野久作 「幽霊と推進機」
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