...磯山(いそやま)の陰に貉が一匹唄を歌いながら...
芥川龍之介 「貉」
...ところが日陰に入って十分も休んでいると...
梅崎春生 「狂い凧」
...やがて左側の大きな欅(けやき)の樹陰に色褪(あ)せた旗を立てて一軒の百姓家が往来も稀れな通行人のために草鞋(わらじ)三文菓子なぞを商っている前へと出る...
橘外男 「逗子物語」
...舟は波のうねりのすくない岩陰に繋(つな)がれて陸(おか)へは橋板(はしいた)が渡された...
田中貢太郎 「参宮がえり」
...夕日が西の山陰に沈んだ頃...
田山花袋 「歸國」
...主人公の老富豪が取引所の柱の陰に立って乾坤一擲(けんこんいってき)の大賭博(だいとばく)を進行させている最中に...
寺田寅彦 「映画雑感(4[#「4」はローマ数字、1-13-24])」
...で今彼は練兵場の土堤(どて)の陰にすわって種々の考えを頭の中に浮かべていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...その陰に立寄ると...
永井荷風 「雪の日」
...碑陰にまつくろな土瓶(どびん)つゝこむ清水かなの一句を刻す...
永井荷風 「礫川※[#「彳+淌のつくり」、第3水準1-84-33]※[#「彳+羊」、第3水準1-84-32]記」
...暗く映る灯(ひ)の陰に...
夏目漱石 「思い出す事など」
...夜陰にそつと忍び込んで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...深谷の腰から下は土の陰に隠れた...
葉山嘉樹 「死屍を食う男」
...フィールデンがハリエニシダの陰に潜り込んだのは風を避けるため...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...棕櫚竹(しゅろちく)の鉢植えの陰になっているテーブルのほうへ行った...
松本泰 「宝石の序曲」
...それが我々の陰に陽に...
柳田国男 「木綿以前の事」
...ここへ連れて来いっ』『はっ』恩賞を夢みながら、陣所の陰に、腕拱(ぐ)みして佇立(たたず)んでいた丑蔵は、十介のすがたを見ると、(呼びにきたな)にやりと、白い歯を見せた...
吉川英治 「篝火の女」
...三供や馬を柴門の陰に残して...
吉川英治 「三国志」
...老柳の木陰に潜(ひそ)みながら...
吉川英治 「源頼朝」
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